西暦 |
著者史料名 |
出版元 |
漢字 |
振り仮名等 |
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1630年 |
林羅山著「多識編」 |
京都 |
白芥 |
多宇可羅志 |
「トウガラシ」を記載した最も古い史料
『本草綱目』が底本 |
1633年 |
曲直瀬玄朔著「日用食性」 |
京都 |
白芥 |
タウカラシ |
トウガラシ」を記載した二番目に古い史料
『本草綱目』が底本 |
1645年 |
松江 重頼著「毛吹草」 |
京都 |
唐菘 |
タウカラシ |
諸国名産ノ部 山城 畿内 |
1666年 |
中村惕斎 編「訓蒙図彙 」 |
京都 |
番椒 |
ばんせう |
俗云 たうがらし |
1671年 |
向井元升著「庖厨備用倭名本草」 |
京都 |
番椒 |
ばんせう |
番椒ハ西國俗ニ云フナンバンゴセウナルベシ京関東ニテタウガラシト云フ |
1683年 |
新井玄圭著「食物摘要」 |
京都 |
番椒 |
タウカラシ |
「番椒」に初めて「タウガラシ」の振り仮名 |
1678年 |
「本草薬名備考」 |
京都 |
白芥 |
タウカラシ |
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1680年 |
若耶三胤子編「合類節用集」 |
京都 |
白芥 |
タウガラシ |
ハクカイ 白芥(タウガラシ)は版を重ねて1861年まで刊行 |
1686年 |
黒川道祐著「雍州府志」 |
京都 |
唐芥子 |
無し |
城国(現京都府南部)の地誌
唐芥子は、中華にいはゆる番椒これなり |
1692年 |
井原西鶴著「世間胸算用」 |
江・京 |
唐がらし |
とうがらし |
一般庶民向けの書物では「唐がらし」か |
1693年 |
酒堂編「俳諧深川集」 芭蕉の俳句 |
京都 |
唐辛子 |
無し |
現在最も多く使われている表記である
「唐辛子」が最初に記載された史料です |
1695年 |
中村惕斎 編「頭書増補訓蒙図彙 」
(1666年「訓蒙図彙 」の増補版) |
京都 |
番椒
番椒 |
ばんせう
たうからし |
番椒に二種の振り仮名(ばんせう、たうからし)
|
1697年 |
人見必大著「本朝食鑑」 |
江戸 |
畨椒 |
トウカラシ |
登宇加良志(トウカラシ)と訓む |
1697年 |
宮崎安貞著著『農業全書 』 |
福岡 |
蕃椒 |
とうがらし |
中国の「農政全書」参考、農事・農法を体系的に記述したもの。 |
1698年 |
岡本一抱著「広益本草大成」 |
京都 |
唐我羅志 |
トウガラシ |
以上ノ両説ヲ考ルニ番椒(バンシャウ)ヲ以テ今ノ唐我羅志トスベキ |
1698年 |
貝原益軒著「花譜」 |
福岡 |
蕃椒 |
たうがらし< |
「朝鮮から来たのでこうらい胡椒」」と
「西國にて南蛮胡椒と稱す」 |
1707年 |
森川許六編「風俗文選」 |
江戸 |
畨椒 |
無し |
蕉門俳人二九人の文章
「とうがらしの名を、南蛮がらしといへる」 |
1709年 |
貝原益軒著「大和本草」巻五 |
福岡 |
番椒 |
タウカラシ |
巻五と異なる振り仮名を付けています。
朝鮮伝来説を主張するためか |
1709年 |
貝原益軒著「大和本草」附録巻 |
福岡 |
蕃椒 |
カウライゴセウ |
1712年 |
寺島良安編纂「和漢三才図会」 |
大阪 |
番椒 |
たうがらし |
俗に南蛮胡椴 という。今は唐芥子という。 |
1733年 |
天野信景著「鹽尻 」 |
尾張 |
番椒 |
トウガラシ |
随筆 |
1734年 |
菊岡沾凉 述 本朝世事談綺 」 |
江戸 |
番椒 |
たうがらし |
朝鮮伝来説と南蛮伝来説 |
1763年 |
平賀源内著「物類品隲宝暦」 |
江戸 |
番椒 |
無し |
和名タウガラシ |
1775年 |
越谷吾山 編輯「物類称呼」 |
武蔵 |
番椒 |
たうがらし |
各地の方言を記載 |
1775年 |
醒狂道人何必醇 輯「豆腐百珍、続編」 |
大坂 |
唐辛 |
タウカラシ |
「唐辛」が最初に記載された資料 |
1800年 |
畑 道雲著「燭夜文庫」 |
江戸 |
唐辛子 |
無し |
狂歌狂文集 |
1801年 |
醐山人著「料理早指南」 |
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とうがらし |
無し |
料理本は「とうがらし」 |
1804年 |
曾槃,白尾国柱著「成形図説」 |
薩摩 |
唐芥
番椒 |
タウカラシ
タウガラシ |
本文の正式名称
図の表記 |
1807年 |
淺埜髙蔵 輯 著「会席料理細工庖丁」 |
京都 |
とがらし |
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料理本。簡略化して「とがらし」 |
1809年 |
岡林清達 稿「物品識名」 |
尾張 |
トウガラシ |
番椒 |
別名 ナンバン |
1811年 |
山本 亡羊著「懐中食性」 |
京都 |
番椒 |
とうがらし |
疝気を治し、蟲を殺す。 |
1820年 |
「日用食鑑」 |
江戸 |
とうからし |
番椒 |
民間薬としての役割。いろは順で記載 |
1829年 |
佐藤信淵・滝本誠一編
「草木六部耕種法」 |
江戸 |
蕃椒 |
トウカラシ |
1542年、ポルトガル人が大友宗麟に唐辛子の種子を献上 |
1835年 |
曲亭 馬琴(著作堂)著
「近世流行商人狂哥絵図」
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江戸 |
唐からし |
たうからし |
七色唐からし売 |
1852年 |
石塚豊芥子著 「近世商賈尽狂歌合」 |
江戸 |
蕃椒 |
とうがらし |
七色蕃椒 |
1852年 |
「黙斎先生道學標的講義(外題)」 |
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唐辛 |
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1856年 |
飯沼慾斎著「草木図説」 |
岐阜 |
タウガラシ |
蕃椒 |
リンネの分類法により図示・解説 |
1859年 |
岡安定[他]著「品物名彙」 |
京都 |
トウガラシ |
ナンバン
蕃椒 |
トウガラシの別名でナンバンが出てきます。 |
1859年 |
槙島 昭武編「合類大節用集 |
京都 |
白芥 |
タウガラシ |
左側にカウライコセウ。
白芥が幕末まで残っています。 |
1879年
明治12年 |
「歌舞伎新報」 |
東京 |
唐辛子 |
とうがらし |
明治12年の雑誌。 |
1882年 |
岡本経朝編「面白奇聞話のたね: 11至15號」 |
東京 |
唐辛子 |
とうがらし |
七種唐辛子(なないろとうがらし) |
1889年 |
原在泉著「在泉習画帖」 |
京都 |
番椒 |
タウガラシ |
明治22年の画帖。 |
1889年 |
大槻文彦 編「言海 」 |
東京 |
たうがらし
ばんせう
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唐辛
蕃椒 |
別名:高麗胡椒、南蛮胡椒、南蛮ガラシ、ナンバン、蕃椒。
あいうえお順の日本初の近代的国語辞典
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1889年 |
幸田露伴著「風流仏」 |
東京 |
唐辛子 |
とうがらし |
芭蕉から196年ぶりに唐辛子が出てきました |
1891年 |
正岡子規著俳句集「寒山落木」 |
東京 |
唐辛子
蕃椒
唐からし
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無し |
唐辛子 24
蕃椒 18
唐からし 2 |
1900年 |
婦人衞生雑誌 - 第 131~140 号 |
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唐辛子 |
無し |
1980-1945年多くの書物で「唐辛子」が使われています」 |
1900年 |
井上頼圀 ・ 近藤瓶城 編俚言集覧 |
東京 |
唐がらし |
無し |
番椒 |
1902年 |
尾崎紅葉著「金色夜叉 」 |
東京 |
蕃椒 |
たうからし |
蕃椒(たうがらし)4作品、
蕃椒(ばんしょう)1作品(ふりがな文庫) |
1903年 |
村井弦斎著「食道楽:春の巻」 |
東京 |
唐辛 |
<とうがらし |
唐辛(とうがらし)15作品(ふ)
|
1906年 |
島崎藤村著 「破戒 」 |
東京 |
唐辛 |
たうからし |
唐辛(たうがらし)10作品(ふ) |
1907年 |
金沢庄三郎 著「辞林」三省堂出版 |
東京 |
たうがらし
ばんせう |
唐辛
蕃椒 |
別名:蕃椒
唐辛は1889年大槻文彦 編「言海 」と同 |
1907年 |
田功太郎佐藤礼介編
「内外実用植物図説」 |
東京 |
たうがらし |
(漢)蕃椒 |
あいうえお順で掲載 |
1908年 |
夏目漱石著 「三四郎」 |
東京 |
唐辛子 |
とうがらし |
唐辛子(とうがらし)27作品(ふ)
|
1909年 |
徳田秋声著「足跡」 |
東京 |
蕃椒 |
とうがらし |
蕃椒(とうがらし)10作品(ふ)> |
1910年 |
柘植六郎著「実験蔬菜園芸新書」 |
東京 |
蕃椒 |
たうからし |
園芸は戦前まで 蕃椒(たうがらし |
1912年 |
語句楼山人 著「現代名士抱腹珍談」 |
東京 |
唐辛子 |
とうがらし |
|
1916年 |
森鴎外著「渋江抽斎」
森鴎外著「世阿弥の手紙」 |
東京 |
唐芥子
蕃椒 |
とうがらし
たうからし |
同じ年に二通りの表記をしています。 |
1922年 |
八百繁主人著「おいしく出来る家庭漬物の仕方」 |
東京 |
唐辛子 |
たうからし |
庶民用書物でも唐辛子 |
1925年 |
村越三千男 編「大植物図鑑」 |
東京 |
タウガラシ |
蕃椒 |
|
1927年
昭和2年 |
日本音曲全集刊行會出版「小唄うた沢端唄全集」 1927年(昭和2年)刊 |
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唐芥 |
たうからし |
|
1940年 |
牧野富太郎著「日本植物図鑑」 |
東京 |
たうがらし |
番椒
辣椒 |
「和名は唐芥子」「南蛮胡椒の名あり」 |
1940年 |
満洲・・ 編「北満に於ける蔬菜栽培法」 |
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蕃椒 |
たうからし |
満名辣椒(ラーチャオ) |
1942年 |
柳田國男著「食料名彙」 |
東京都 |
蕃椒 |
ばんしょう |
蕃椒(ばんしょう)はこの作品のみ(ふ) |
1945年
昭和20年 |
太宰治著「お伽草子」 |
東京都 |
唐辛子 |
たうがらし |
10作品(ふ) |
1948年 |
村越三千男 編「集成新植物図鑑」 |
東京都 |
タウガラシ |
無し |
漢字「蕃椒」が無くなりました。 |
1950年 |
赤木,盛郎著「天然培養基に於ける繁殖並に・・・」 |
東京都 |
唐辛子 |
無し |
研究論文 |
1956年 |
牧野富太郎著「日本植物図鑑・増補班(訂正版)」 |
東京都 |
たうがらし |
無し |
「たうがらし(唐芥子の意)」「南番胡椒、南蛮、高麗胡椒、南京胡椒等の名あり」 |
1979年 |
森一雄「魚の調理、火口と調味料」 |
東京都 |
唐辛子 |
無し |
国立国会図書館デジタルコレクション検索で1970-1999年で最も多い表記「唐辛子」 |
1983年 |
三省堂編集所編「広辞林」(第6版)三省堂出版 |
東京都 |
とうがらし
ばんしょう |
唐辛子
蕃椒 |
別名:唐辛、蕃椒 |
1985年 |
小野崎博通「Pseudomonas SPP . によるカプサイシンのバニリルアミンへの分解」 |
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とうがらし |
無し |
学術関係もとうがらし・トウガラシが多くなる。 |
1997年 |
金田京助編「新明解国語辞典」(第4版)三省堂出版 |
東京都 |
とうがらし |
唐辛子 |
(唐芥子とも書く) 珍しく「唐芥子」出現
「ばんしょう」の項が無い。 |
2005年 |
藤本,さつき著「日本調理科学会誌.家庭料理における香辛料の使用実態」 |
東京都 |
唐辛子 |
無し |
何故か七味唐辛子だけ漢字、他はショウが、コショウ、ゴマ。七味が付いたためか。 |
2012年 |
園芸試験場「伝統野菜「三宝甘長とうがらし」の・・」 |
東京都 |
とうがらし |
無し |
国立国会図書館デジタルコレクション検索で2000-2021年で最も多い表記「とうがらし・トウガラシ」 |
2019年 |
厚生労働省出版「日本薬局方. 第17改正 第2追補」 |
東京都 |
蕃椒 |
トウガラシ |
またはバンショウ。薬関係では蕃椒 |
2021年 |
デジタル大辞泉デジタル大辞泉 |
東京都 |
ばん‐しょう〔‐セウ〕 |
蕃椒 |
トウガラシの別名 |
2021年 |
デジタル大辞泉デジタル大辞泉 |
東京都 |
とう‐がらし〔タウ‐〕 |
唐辛子
唐芥子
蕃椒 |
南蛮がらし
|
2021年 |
精選版 日本国語大辞典 |
東京都 |
ばん‐しょう ‥セウ |
蕃椒 |
〔名〕 植物「とうがらし(唐辛子)」の漢名 |
2021年 |
精選版 日本国語大辞典 |
東京都 |
とう‐がらし タウ‥ |
唐辛子
唐芥子
蕃椒 |
漢名、蕃椒・辣椒。そらみとうがらし。なんばんごしょう。こうらいごしょう。《季・秋》
|
2021年 |
植物名辞典 |
東京都 |
蕃椒 |
トウカラシ |
|
2021年 |
国立国会図書館デジタルコレクション での検索(1870-2021年)で出てきた史料数
①とうがらし・トウガラシ778 ②唐辛子656 ③蕃椒224 ④たうがらし140 ⑤唐辛44
⑥唐がらし40 ⑦番椒23 ⑧唐からし5 ⑨唐芥子1、唐芥1 |
2021年 |
Google検索のページ数、検索条件「完全一致」: ①唐辛子17 ①とうがらし17 ③トウガラシ16 ④唐辛15 ⑤番椒14 ⑥唐芥11・ |
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