高川山の山歩き記 2018年4月1日


  

今回はむすび山のカタクリの花が第一目的です。そのため、快晴ですが富士山は春の霞の中にいます。


■今回のコース:

・中央本線初狩駅-男坂―高川山:1時間25分(休憩8分含む)

何回歩いても、高川山からむすび山までは長い。
・高川山-天神峠-むすび山:2時間57分(昼食時間除く)

・むすび山-中央本線大月駅26分

高川山登山ルート

コース 時刻
 小田急江ノ島線
長後駅
6:42

JR中央本線初狩駅
 450m
8:53
9:00
登山道入口
 580m
9:23
9:26
女坂男坂合流点
 880m
10:07
10:12
高川山
 976m
10:25
10:59
田野倉分岐
 670m
11:46
天神峠
 520m
12:19
 昼食  13:17
14:10
むすび山
 463m
14:50
JR中央本線大月駅
 3360m
15:16
15:21
 小田急江ノ島線
長後駅
17:20


高川山と富士山 (百蔵山から)


高川山と富士山 (百蔵山から)






高川山の山歩き記  2018年4月1日(日)




■6:42 小田急線長後駅 気温12℃。少し寒い。



■8:53-9:00 中央本線初狩駅出発



中央本線初狩駅




■9:09 今日は4月1日、初狩の桜は満開。スイセンも咲いています。60歳を過ぎるとエイプリルフ-ルはあまり関係なくなる。



4月1日、初狩の桜は満開




■9:23 高川山の登山道到着。



高川山の登山道到着




■9:42 木の根が作った階段を登ります。



木の根が作った階段を登る




■9:43 男坂を登ります。



男坂を登ります




■10:02 岩ゴロゴロの山道を登ります。。



岩ゴロゴロの山道




■10:06 男坂と女坂の合流点


男坂と女坂の合流点



■10:07 男坂と女坂の合流点からの富士山。晴天ですが、富士山は4月の春霞の中にいます。



男坂と女坂の合流点からの富士山。




晴天ですが、富士山は4月の春霞の中にいます。




■10:25 高川山山頂到着。



10:25 高川山山頂到着




■10:25 高川山山頂からの富士山。富士みちが富士吉田の市街地に入り、150度ほどの角度で拡がり、その上に富士山がいます。その富士吉田の市街地を更に登っていくと富士山山頂に到達します。富士山の参拝者を歓迎するようなこの景色が好きです。



高川山山頂からの富士山。富士みちが富士吉田の市街地に入り、150度ほどの角度で拡がり、その上に富士山がいます。




■10:26 高川山山頂からの富士山。



高川山山頂からの富士山




■10:26 高川山山頂からの富士山。春霞の中の富士みちと富士山。春を実感できます。




高川山山頂からの富士山。春霞の中の富士みちと富士山。





■10:59 高川山山頂は結構広い。岩場に座り、富士山を見ながらおにぎりを食べることができます。今日は、おにぎりにはまだ早いので、珈琲を淹れます。



  富士山眺めて珈琲の時間 10:27-10:59  




気温も21℃になり、ゆったりと霞んでいく富士山を眺めながら珈琲を味わいます、山頂滞在時間34分で出発。


高川山山頂は結構広い。岩場に座り、富士山を見ながらおにぎりを食べることができます




■11:22 田野倉分岐への尾根道を進みます



田野倉分岐への尾根道を進みます




■11:42 右側に富士みちが見えます。禾生駅から田野倉駅までのみちです。



右側に富士みちが見えます




■11:45 アブラチャン。



アブラチャン



■11:47 田野倉分岐到着。相棒さんが木の枝の方を向いて何かしています。

相棒さんが持っているのは、鳥を撮影するために購入したカメラcanonのPowerShot SX60 HSです。光学65倍[21mm-1365mm]F3.4-F6.5のレンズです。
カメラの倍率が高くても、鳥さんはなかなか静止してくれません。3秒たつと移動します。ここでは撮影は失敗。その成果はこの後、



田野倉分岐到着




■11:55 ヤマツツジの蕾



ヤマツツジの蕾




■12:20 天神峠到着。富士みちの方に下りると、田野倉駅にいけます。



天神峠到着




■12:24 キブシ  華やかで、爽やかで、鮮やか


キブシ(木五倍子)は、キブシ科キブシ属に属する雌雄異株の落葉低木。別名、キフジともいう。庭木や花材などに使われる。樹高は3m、ときに7mに達するものもある。

花は、3-5月の葉が伸びる前に淡黄色の総状花序につける。長さ3-10cmになる花茎は前年枝の葉腋から出て垂れ下がり、それに一面に花がつくので、まだ花の少ない時期だけによく目立つ。花には長さ0.5mmの短い花柄があり、花は長さ7-9mmの鐘形になる。萼片は4個で内側の2個は大きく花弁状、花弁は4個で花時にも開出せず直立する。雄花は淡黄色、雌花はやや緑色を帯びる。和名は、果実を染料の原料である五倍子(ふし)の代用として使ったことによる。。
キブシ - Wikipediaより)




高川山のキブシ




■12:25-38 天神峠の上で休憩


■12:39 マメザクラ

マメザクラ(豆桜)はバラ科、サクラ属の植物。桜の野生種の一つ。富士山近辺やその山麓、箱根近辺等に自生しており、フジザクラやハコネザクラとも言う。マメ(豆)の名が表すように、この種は樹高が大きくならず、花も小さい。
花の時期は3月下旬から5月上旬で、花弁は五枚一重で色は白から薄紅色。花は1cmから2cmと小ぶり。他種と違い花を下に向けて開かせる。(マメザクラ - Wikipediaより)




高川山のマメザクラ




高川山のマメザクラ




高川山のマメザクラ




■12:54 ヤマガラ

ヤマガラ(山雀)は、スズメ目シジュウカラ科シジュウカラ属に分類される鳥類。
全長13-15センチメートル。頭部は黒い羽毛で被われ、額から頬、後頸部にかけて明色斑が入る。下嘴基部(腮)から胸部にかけて黒い帯模様が入る。尾羽の色彩は黒褐色。初列風切や次列風切の色彩は黒褐色で、羽毛の外縁(羽縁)は青みがかった灰色。雨覆や三列風切の色彩は青みがかった灰色。(ヤマガラ - Wikipediaより)




相棒さんの熱意に応えて、山雀さんがしばらく静止してくれました。canonのPowerShot SX60 HSのシャッターをきります。


ヤマガラ



オウ!横顔が見えました。


ヤマガラの横顔



おうおう!こちらを向いて「コンチワ」といってます。こんな小さな鳥の眼でも、こちらを向いてるとわかります。
顔にも表情があります。   勝手に思っているだけか?


こちらを向いているヤマガラ





   おにぎりの時間 13:17-14:10   





丸太のベンチ跡で、おにぎりを食べる。

富士山は見えません。右側に富士みちが見えるだけです。珈琲は高川山山頂で飲んでしまったので、食後のコーヒーはなし 



そこで、11:45にアブラチャン、と記載したアブラチャンについて考察します。




高川山の黄色い花はアブラチャンか、ダンコウバイか



1.高川山の黄色い花はアブラチャンか、ダンコウバイか

同じところで撮影しアブラチャンと書いた黄色い花です。






「アブラチャン」Wikipediaには次のように書かれています。

アブラチャン(油瀝青、学名:Lindera praecox)はクスノキ科クロモジ属の落葉低木。雌雄異株。種小名は「早熟な」という意味である。

アブラチャンの「アブラ」は「油」、「チャン」は「瀝青」のことを指す。つまり「油瀝青」ということで、木全体に油が多いことが名前の由来。
早春、3月 - 4月に淡黄色の花をつける。花は葉に先立って咲き、春まだ葉がほとんど芽吹いていない森の中では、ひそかにその黄色の花が目立つ木の一つ花は3 - 5個の花が集まってつく散形花序。淡黄色の花被片は6個。
油分が多いため、薪炭として使われた。果実や枝から油をとって、灯油として利用された。
 
  ( 「アブラチャン」Wikipediaより)


しかし、同じような春に黄色い花を咲かせるダンコウバイがあります。


ダンコウバイ(檀香梅、学名:Lindera obtusiloba Blume)は、クスノキ科クロモジ属の落葉小木の一種。

成木は樹高2.5-6 m、幹の直径約18 cm、ウコンバナの別名があるが、これはシロモジのこととされる場合もあり、混乱がある。
樹高2~5mほど、時に7mほどになる落葉低木です。
春、芽吹く前に黄色い小さな花を枝に無数に付ける。雌雄異株で、3-4月の花が展開する前に小さな黄色い花を散形花序につける。雄花と雌花の花被片は6個で楕円形
種子に強い香りが有り檀香梅と書く。

 (「ダンコウバイ」 Wikipediaより)




その見分け方は、



アブラチャンには花序(かじょ。花をつける部分)と枝の間に柄がありますが、ダンコウバイには柄が無く、花序が直接枝についています。画像で確認します(Wikipediaより)



アブラチャン:花序と枝の間に柄がある





ダンコウバイ:花序と枝の間に柄が無く花序が直接枝についている。






2018.4.1の黄色い花の写真で識別できそうな所を拡大してみた。左の花には柄は無く枝のようである。右の花の前が枝か柄か識別が難しい。






2018年に写したもう一枚の黄色い花もダンコウバイのようです。しかし確定はできない。








Webで他のサイトをみると、同じように高川山の黄色い花はアブラチャンかダンコウバイか判断に迷っているようです。

なお、アブラチャンといえば、鉄砲木ノ頭と高指山の間に、「アブラチャン純林」があります。アブラチャンは別名がムラダチ(群立)というように、主幹は作らず数本の幹を叢生させます。この叢生でダンコウバイと識別できると思ったのですが、ダンコウバイも叢生するようです。

やはり、次回カタクリの季節3-4月に高川山に登ったときに、意識して黄色い花の「花序と枝の間に柄がある」か否かを撮影することにする。

実はアブラチャンの花には香りがほとんどありません。ダンコウバイはよい香りです。香りもしっかり確認します。





、鉄砲木ノ頭と高指山の間の、「アブラチャン純林」






2.アブラチャンの名前の由来


(1)上記した「アブラチャン」についてWikipediaには、名前の由来漢字について次のように書かれています。


アブラチャン(油瀝青、学名:Lindera praecox)はクスノキ科クロモジ属の落葉低木。雌雄異株。

アブラチャンの「アブラ」は「油」、「チャン」は「瀝青」のことを指す。つまり「油瀝青」ということで、木全体に油が多いことが名前の由来。


油の多い木であることはわかりますが、「チャン」が「瀝青」の漢字であらわす所があいまいです。


(2)横山健三氏はアブラチャン(油瀝青)の名前の由来と用いた漢字の典拠に関して次ように記載してます。




アブラチャン・ケアブラチャンの由来・語源

1.名前の歴史(名称史)

 黒田斉清の『本草啓蒙補遺』という江戸時代の本にアブラチャンとあり、最初の記録である(本の発行年代は不明であるが、著者は1795~1851年)。

2.語源の説明。紹介(語源説・由来)

1)油瀝青説◎アブラとチャンが合わさって、できた名前だろうという説
  牧野冨太郎の『牧野日本植物図鑑』(昭和15・1940年)に「和名は、この果実ならびに樹皮に油が多く、よく燃焼するから、油ならびにチャン(瀝青)を合わせて名にしたのだろう。」とある。
 *チャンは防腐用塗料やアスファルト・ピッチ。英語のchianという。

2)油チサ・ヂサ転設説◎アブラとチサ・ヂサとが合わさって、できた名前だうっという説・(チサはエゴノキの古語)
 ① 白井光太郎の『樹木和名考』(昭和8年・1933年)に「私が考えるにアブラチャンはアブラジサの転訛したものだろう」とある。

3)油茶転訛説◎アブラとちゃ・茶とが合わさって、訛った名前だろうという説
①白井光太郎の上記の本に「ドイツのラインという人が、果実が茶に似て油が多いからの名前」と紹介してある。
②明治時代の『農芸大辞林』(明治40年・1907年)にアブラチャンの説明に「実は茶の実に似ている」とある。」



アブラチャン・ケアブラチャンの由来・語源 / 横山健三 -- 新潟県植物保護協会2001-2新潟県植物保護 Vol.29 p.3-3より引用



植物の名前も、山の名前も、その由来については、いろいろな説が出てきます。
更に、この三説について考えた。


1)油瀝青説。◎アブラとチャンが合わさって、できた名前だろうという説。

チャンと瀝青についての研究があります。世の中、いろんなことが真剣に研究されています。それがネットで見られる時代です。

吉野政治:「瀝青の語誌」に、次のように、「瀝青」は「チャン」と呼ばれて、アブラチャンの最初の記録である年代より前に「松脂と油とねり合わせたる者」として使われていた。

また、明治11年に出版されたされた「旧約聖書創世記」では、ノアの箱舟に塗った瀝青(やに)として記載されています。







これから、アブラとチャンが合わさって、できた名前という牧野冨太郎説はかなり妥当性がある。また、アブラチャンに「油瀝青」という漢字を与えたのは牧野冨太郎と思われる。




大正の時代に「瀝青」は意味も読みも「ちゃん」になっています。

「明治時代の例を補足すれば『必携熟字集』(明治十二年〔1879〕刊)に「瀝青(レキセイ) チヤン」、末広鉄腸著『雪中梅』(明治十九年〔1886〕刊)に「房の四方は板張にて、白き脂膠(チ ャ ン)を塗り」(上六)、『新編漢語辞林』(明治三十七年〔1904〕刊)に「瀝青(レキセイ) マツヤニヲネッタモノ。︱チャン」などと見える。以上すべて、チャンは松脂を主な材料として作られたものを言う。

河原萬吉他訳のダンテの『神曲』(万有文庫第1巻、大正十五年〔1926〕刊)
冬、ベネツィア人の船廠に/彼らの康(すこや)かならぬ船を填(う)め塗(ぬ)るため/粘(ねば)り強き瀝青(ち やん)が煮えるやうに(下略) (第二十一曲)」

2)白井光太郎の『樹木和名考』、読解力力不足で読取り不可。この後2頁あります。







3)油茶転訛説◎アブラとちゃ・茶とが合わさって、訛った名前だろうという説

横山氏はアブラチャンの果実と種子がチャの果実種子に酷似しているから」、3)の油茶転訛説を支持している。


筆者は「1)油瀝青説。◎アブラとチャンが合わさって、できた名前だろうという説。」を支持していたが、アブラチャンの果実とお茶の果実を見て、3)油茶転訛説も支持したくなりました。









アブラチャンの果実 

Wikipediaより
引用



お茶の果実 

茶樹の命を凝縮 静岡県産 茶の実油|・産直グルメより引用







このコラムを書いた後、素晴らしいサイト「アブラチャンの名前の由来」を見つけました。

木の散歩道-アブラチャンの名前の由来

著者の廣野郁夫氏は、サイトには書かれていませんが、林業、材木関連の技術者と思われます。

そのため、素人の私がスッキリしない気持ちで権威ある牧野博士の油瀝青説と感覚的思い込み込みにより推薦した油茶転訛説を、簡潔かつ端的に否定して新説を提案しています。そのほか、アブラチャンに関する面白いはなしがあります。

従来の三説の感想

(1)油瀝青説。この名前の説明について、「アブラ」まではいいのであるが、何でピッチ、コールタールを意味するという「チャン」の語が突然たたみ掛けるように登場するのか全く理解不能で、とても受け入れられない。漆黒の石油由来のドロドロ、ベタベタ成分など全く関係ないはずで、類似性もないから、これに関連づける理由は見当たらない。

(2)油茶転訛 説明らかに(1)の瀝青説よりは健全である。チャノキの種子からは同じツバキ科ツバキ属のツバキ、サザンカの種子と同様に種子油が採取可能であることは知られているところであるが、わざわざアブラ(油)とチャ(茶)の語を重ねるように結合して名前にするという感性は、現実味がないように感じる。

(3)油チサ・ヂサ転設説 この説は、アブラチャンの別名として「ヂシャ」の名があることを手がかりとしたものであるが、そのジシャにわざわざアブラを冠するという感性は、やはり現実味がないように感じる。

新説提案

可能性として以下の経過を感じる。

 チシャノキ、チシャはエゴノキの別名でもあることが知られているが、アブラチャンの果実は油が採取できることに加えて、果実の印象が(アブラチャンより広範に存在して一般的である)エゴノキ(チシャ)の果実にやや似ていることから(エゴノキの名前を軸足として)アブラチシャ → アブラチャン となったと考えるのが自然ではないだろうか。

 ただし、エゴノキの種子油も(どれだけ一般性があったのか詳細は不明であるが) エゴ油とかズサ油と呼び、燈油として使ったとされる事実がある点は少々悩ましい。

 植物名の語源はわからないものが多いが、楽しみながらこれを論ずる場合は、やはり謙虚な姿勢と素直な感性をもって向き合うことが必要と思われる。



当方としては、「チシャノキ転設説」もこれが本命とはまだ言い切れません。









蛇足の補足




当サイトで、山名の由来について多く書いていますが、上記文章を借りて次の文章を作り、これに従い山名由来に向き合います。

山名の語源はわからないものが多いが、楽しみながらこれを論ずる場合は、やはり謙虚な姿勢と素直な感性をもって向き合うことが必要と思われる。」












■14:10 出発


■14:33-38 また、丸太のベンチ跡で休憩



丸太のベンチ跡で休憩




■14:34 山道からの富士みち。晴れていれば山の向こうに富士山が見えるはずです。



山道からの富士みち




■14:37 ヤマガラ



ヤマガラ




■14:40 マヒワ

マヒワ(真鶸、Carduelis spinus)は、スズメ目アトリ科カワラヒワ属に分類される鳥。
全長12-12.5センチメートル。尾羽は黒い。翼は黒く、羽縁は黄色。嘴は細く、色彩は薄いオレンジ色。
オスの成鳥は喉と額から後頭が黒い羽毛で覆われる。顔や胸部、腰は黄色い羽毛で覆われる。後頸から背中は黄緑色、腹部は白い羽毛で覆われ黒褐色の縦縞が入る。メスの成鳥は上面が緑褐色の羽毛で覆われ、黒褐色の縦縞が入る。(マヒワ - Wikipediaより)



マヒワ




マヒワ





■14:49 むすび山到着



むすび山到着






   14:50-14:55 むすび山のカタクリ   





Wikipediaより引用

カタクリ(片栗、学名:Erythronium japonicum Decne.)は、ユリ科カタクリ属に属する多年草。古語では「堅香子(かたかご)」と呼ばれていた

早春に10 cm程の花茎を伸ばし、薄紫から桃色の花を先端に一つ下向きに咲かせる。

蕾をもった個体は芽が地上に出てから10日程で開花する。花茎の下部に通常2枚の葉があり、幅2.5-6.5 cm程の長楕円形の葉には暗紫色の模様がある。地域によっては模様がないものもある。

開花時期は4-6月で、花被片と雄しべは6個。雄蕊は長短3本ずつあり、葯は暗紫色。長い雄蕊の葯は短いものより外側にあり、先に成熟して裂開する。雌蕊の花柱はわずかに3裂している。

地上に葉を展開すると同時に開花する。日中に花に日が当たると、花被片が開き反り返る。日差しがない日は終日花が閉じたままである。開花後は3室からなる果実が出来、各室には数個-20程の胚珠が出来る。平均で60%程の胚珠が種子となる。胚珠は長さ2 mmほどの長楕円形である。染色体は大型で2n=24である。



カタクリ01

カタクリ01




カタクリ02

カタクリ02



■花被片が開き反り返る前のカタクリの花を見たかったけれど、すべて反り返っていました。又花が上を向いて咲くつむじ曲がりのカタクリもいないようです。

そのため、花はすべて下向きに咲き、すべての花被片が開き反り返る姿がカタクリの花の印象となります。



カタクリ03

カタクリ03





カタクリ04

カタクリ04




■しかし、花被片の中央部を下から覗いて驚いた。実に美しい。6枚の花弁すべてに三峰の富士山が描かれている。その三峰の富士山が6山すべて繋がっている。18峰の富士山が、カタクリの花の内側に隠れていた。(富士山展望のサイトですので無理やり富士山を入れてしまいました、謝。)

この濃紫色の三峰の斑紋は、蜜標(ハニーガイド)と呼ばれ、昆虫に蜜のありかを知らせる道しるべといわれています。実際に、そのような働きをしているかは定かではありませんが。



カタクリ06

カタクリ06



蜜標が写っている写真をまとめて掲載します。実は、今回の山歩きの主目的がカタクリの花鑑賞にもかかわらず、花を眺めているときはこの密標に気がつきませんでした。写真を整理したときにこの三峰の斑紋を見つけました。そのため、蜜標を意識した写真ではないので、そのできばえに不満が残ります。次回は「密標」を取るために高川山-むすび山に登ります。




カタクリ07                                     カタクリ08

カタクリ07     カタクリ08




カタクリ09                                         カタクリ10

カタクリ09     カタクリ10





カタクリの蜜標を好む人がいて、密票を写すためにカタクリの花を写した写真が以下のサイトで見られます。いろいろな密標があります。三峰の形がそれぞれ異なるのが面白く、実に美しい。私も、カタクリの密標愛好家になりました。

大好きなカタクリの花☆蜜標 : さんじゃらっと☆blog2

「3831 カタクリの蜜標のいろいろ  - みちのくの山




■カタクリの鱗茎はその昔片栗粉の原料でした

早春に地上部に展開し、その後葉や茎は枯れてしまう。地上に姿を現す期間は4-5週間程度で、群落での開花期間は2週間程と短い。このため、ニリンソウなど同様の植物とともに「スプリング・エフェメラル」(春の妖精)と呼ばれている。種子にはアリが好む薄黄色のエライオソームという物質が付いており、アリに拾われることによって生育地を広げている(同様の例はスミレなどにも見られる)。

かつてはこの鱗茎から抽出したデンプンを片栗粉として調理に用いていた。精製量がごくわずかであるため、近年は片栗粉にはジャガイモやサツマイモから抽出したデンプン粉が用いられている。若葉を茹でて、山菜として食されることがある




カタクリ11

カタクリ11





■カタクリの名の由来

「カタクリ (片 栗) :花々のよもやま話」より引用

カタクリ(片栗)名の由来は、万葉集時代から親しまれており、大伴家持が詠んだ「もののふの おとめらが 汲みまがふ 寺井の上の  堅香子(カタカゴ)の花」という歌があるが、堅香子(カタカゴ)と呼んでおり、カタクリ(片栗)の古名である。この堅香子(カタタゴ)の名はカタクリ(片栗)ではなくて、コバイモ(子貝母)も言う説もあるという。

堅香子(カタタゴ)とは、カタクリ(片栗)は種子から発芽して花を付けるまで、約8年が必要で、毎年少しづつ葉が1枚だけ大きくなり、葉に鹿の子模様があることから、カタクリ(片葉)の鹿の子から「片葉の鹿の子」が転訛して、堅香子(カタタゴ)の名になった。また、カタクリ(片栗)の果実は、毬にはいっている数個のクリ(栗)の実の1ツに似ていることから、「タカクリ(片栗)」になったという 。

堅香子(カタカゴ)とは「傾いた籠状の花」という意味で、下向きに咲き、花弁がそりかえる形から連想したものとされる。それが堅香子(カタカゴ)→堅子(カタコ)→堅子百合(カタコユリ)→カタクリ(片栗)に転訛したのではないかといわれている




カタクリ12 4個の花の開き方が異なり、舞踏を行っているようです。

カタクリ12






カタクリ13

カタクリ13




カタクリ14

カタクリ14




■カタクリの花言葉と名前

片栗(カタクリ)の花言葉,英語名は?育てると7年? | 春夏秋冬|身近な花の名前の由来や花言葉、英語名を紹介サイト」から引用

カタクリの花言葉
◇全体:初恋、寂しさに耐える
カタクリの花言葉は「初恋」「寂しさに耐える」と、どこか叶わぬ恋心を抱いた乙女を思わせるようなものばかりです。
カタクリで何か事件でも起きたのかと思う方もいるかもしれませんが、これはカタクリの咲き方が大きな理由です。
カタクリは花が下向きに咲くため、人が俯いているように見えるのです。この様子が、恥ずかしさから自分の恋の気持ちを伝えられずにいる姿が連想され、こうした恋に悩むような花言葉がつけられるようになりました。

カタクリの名前
学名Erythronium(エリスロニウム)は、ギリシャ語で赤という意味の言葉が語源で、赤い花をつけるヨーロッパ種のものを指します。
「日本のエリスロニウム」と呼ばれるように、カタクリは、日本、朝鮮半島・サハリンとその周辺地域でのみ採れる花です。
そのため、英語名でも和名の「カタクリ」をそのまま使っています。
また、花びらが犬の歯のように見えることから、「犬の歯のスミレ」という別名もあります。




カタクリ15 凛として、気品があります

カタクリ15








カタクリ16

カタクリ16




カタクリ17

カタクリ17






■ここが群生していました。カタクリの花で覆われています。



カタクリ18

カタクリ18





カタクリ19

カタクリ19




■14:55 カタクリの撮影は5分間



カタクリ20

カタクリ20














■15:00 田野倉駅のほうに進みます。



田野倉駅のほうに進みます




■15:04 大月駅へ進みます。今回の山歩き記の写真は、初めと終わりは富士みちの満開の桜です。



大月駅へ。サクラ満開。




■15:16-21 中央本線大月駅


■17:20 中央本線大月駅-中央本線高尾-中央本線八王子-JR横浜線町田-徒歩-小田急線町田駅-小田急線相模大野-小田急線長後駅
  
    大月から長後までは乗り換え5回で、2時間




END









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