奥庭と御庭〜小御岳の御中道歩き記  2015年10月18日(日)




奥庭と御中道の紅葉を目的として、快晴になると思われる日を選び、朝早く出発。
予想通りの青空の下で、黄金色に輝くカラマツと冠雪した富士山を眺めることができました。

期待以上の鮮やかな景観でした。山歩きとしては、登りが30分しかない、散策コースです。






 

奥庭-御庭ー小御岳の散策コース 今回は御庭ー大沢崩れは行きません


奥庭-御庭ー小御岳の散策コース地図

 
 今回のコース  時刻
小田急江ノ島線長後駅


 5:53
富士急行線大月駅
7:52
富士急行線富士山駅
8:34
8:40
富士スバルライン奥庭 220m
富士山眺めて散策散策
御中道御庭に下る
9:45
11:01
御中道御庭到着
 2200m
11:34
御庭の高所で昼食
11:50
13:10
富士スバルライン五合目・小御岳
14:28

富士急行線河口湖駅 15:55
16:11
小田急湘南台駅 18:44
         
奥庭・御中道散策コース

富士山と奥庭・御中道の地図
 



手持ちの写真で鮮明なものがないため、紅葉台案内板の画像を借用しました。

点線で御中道を示しました。その下の黒い筋が富士スバルラインです。大沢崩れは見えません。

●印、■印は窪地





紅葉台からの富士山







奥庭と御庭-小御岳の御中道歩き記 2015年10月18日(日)




■5:53 小田急江ノ島線長後駅出発。


■7:52 富士急行線大月駅出発


■8:30 「三ツ峠を過ぎたあたりに富士山撮影スポットがあります。」との車内放送があり、徐行運転をしてくれるのでカメラを用意して本日最初の富士山をパチリとするのが慣行になった。本日はカメラの用意が遅れたため、その後に撮影したので、電線が絡んできます。雲が中腹部に発生していますが、御中道は、その右側で、雲より標高が高い。
 



富士急行線からの富士山




■8:32 電車の先頭に行き窓から富士山をパチリ。



窓から富士山




■7:52 JR中央本線大月駅到着。


■8:34 富士急行線富士山駅到着。


■8:40 富士山駅から河口湖経由富士スバルライン五合目行きのバスで奥庭自然公園へ。



富士山駅から河口湖経由富士スバルライン五合目行きのバス




■9:54 富士山五合目・小御岳のひとつ前の奥庭自然公園に到着。雲は下側にあるが上空は快晴。



奥庭自然公園駐車場




■9:54 公衆トイレがあり、その左側に奥庭自然公園の入口が有ります。



奥庭自然公園説明板




富士箱根伊豆国立公園
富士山五合目奥庭自然公園


   富士山には、北北西と南南東に沿って多数の寄生火山があ
  りますが、この奥庭周辺も寄生火山跡地として代表的なもの
  です。風雪に耐えた樹齢100年以上のカラマツ、コメツガ
  シラビソ等が矮性化して自然の庭園を造っています。
   展望のきく地点に立つと富士山の植物の移り変わりが一望
  でき、付近一帯は野鳥や高山植物の観察に最適な地域として
  知られています。
環境省・山梨県             



*「コメツガシラビソ」と書いてあるが、コメツガシラビソという植物はなく、「コメツガ」と「シラビソ」のようである。読点の位置が悪く省略されたのか。植物の知識が不足しているための戸惑いです。

*「矮性(わいせい)」:動植物が近縁の生物の一般的な大きさよりも小形なまま成熟する性質を指す。





■9:55 奥庭自然公園の入口



奥庭自然公園の入口




■10:00 奥庭荘食事、宿泊、土産品、休憩。小屋の横で、どでかい望遠レンズを設置して野鳥撮影



茶屋




■10:01 天狗岩。

「天狗岩の由来:この奥庭を土地の人々は天狗の庭といい、昔富士山に住む天狗様が日夜この庭で遊んでおり、この天狗岩は天狗様が山頂より小脇にかかえ持ち下ってここに据え・・・・」



天狗岩の説明板




■10:04 天狗岩は赤い鳥居の奥にあり、その後に富士山山頂が見えます。しかし富士山後方の右上に太陽がいますので、写真はフレアやゴーストに溢れてしまいます。この後の写真は、左手で太陽光を遮り、右手でシャッタ-を押す、または太陽光を遮る木陰で写すなどしています。面倒なため、その対策なしで写しているのもあります。



天狗岩からの富士山




■10:06 天狗岩からの富士山。左の手の平で太陽光を遮るだけでこれだけ違います。ここから、道を進むにつれ富士山の展望が良くなっていき、歩くごとに富士山の前景が変化します。そのため、富士山の写真満載になります。



天狗岩からの富士山




■10:07 奥庭の樹木の間からの富士山



奥庭の樹木の間からの富士山




■10:08 振返ると富士山。奥庭先端の展望地までは後方に富士山がいるの、こまめに振返ることになります。



奥庭、振返ると富士山




■10:09 富士山全貌を写すと、前景に石畳が出てきます。奥庭からの富士山の特徴になります。これもまた、趣があります。



奥庭の石畳と富士山


 

■10:09 カラマツの黄金色が鮮やかです。富士山がいなくても、この光景を眺めて、散策を楽しむことができます。


カラマツ(落葉松、唐松)は、マツ科カラマツ属の落葉針葉樹。日本の固有種で、東北地方南部・関東地方・中部地方の亜高山帯から高山帯に分布し、天然林は少なく日当たりのよい乾燥した場所が生育に適する。
樹高20-40mになる落葉針葉樹。日本の針葉樹の中で、カラマツはただ一つの落葉性の高木である。幹の太さは1 mに達する。枝は長枝と短枝という二形性を示し、長枝は10-50 cmになる一方、短枝はひとつの芽のみからなり、1-2 mmの長さしか無い。葉は針形で、白い粉に覆われた薄い緑色であり、長さは2-5 cm。秋には葉は黄色く色づき、褐色の冬芽を残して落葉する。成木の樹皮は灰黒色から暗い赤褐色となり、表面は短冊状に剥がれる。(Wikipedia


名前の由来は落葉して葉がカラになることからとする説と、カラマツ林の様子が、唐時代の中国で描かれた絵画に登場する松に似ているためとする説がある。



奥庭カラマツ林に囲まれた散策路




カラマツに関する記載が面白いので、以下の長文を引用させてもらいました。富士山にカラマツがあることが珍しいこと、名前の由来は各説あることを知りました。



富士山の植生はというと、同じように海抜高2,500mあたりで、高木林から低木林に様変わりし、ハイマツらしきものの姿が見えます。
しかし。実のところそれは、ハイマツでなくてカラマツなのでした。
本来、亜高山帯の樹種であるカラマツ。中部地方に天然分布し、高木で、材木をとるのにも適した通直な針葉樹です。
なのに、富士山ではハイマツが生育するはずの高山帯を占め、姿も背の低いハイマツ型に変えている。どうしてでしょう?

その原因としては、富士山が比較的最近まで噴火を繰り返していたまだ新しい山であること、完全に独立峰である故に、ハイマツのタネがまだ入って来られないことが挙げられます。
そこで、その空席を埋めるように、カラマツが亜高山帯から森林限界を越えて登ってきた、というわけなのです。

ちなみに、カラマツは落葉樹です。日本にある他の針葉樹、スギ、ヒノキ、マツ類、モミ類、トウヒなどが冬も緑の常緑樹なのに対し、秋に見事に黄葉した後、葉は皆無になります。

そんな特性は、「針葉樹(古くは「松」と総称)は常緑」という意識を常とする日本人には、異質なものに見えたのかもしれません。
「あれは日本の松じゃない。唐(外国)の松だ」ということから唐松(カラマツ)の名がついたことも、「落葉松」と書いてカラマツと読ませることにも、なるほど納得です。

                                    森ハイマツみたいなカラマツ−富士山にてl 林雑学研究室より引用





■10:10 富士山のすそ野が拡がってきました。今年2015年は10月11日に初冠雪、翌日の12日は東南の中腹にある二ツ塚に行き青空の中の冠雪した富士山を眺めました。本日は10月18日、初冠雪の後もう一回ぐらい雪が降った後です。
紅葉と冠雪の富士山、素晴らしい眺めです。



奥庭、紅葉と冠雪の富士山




■10:11 黄金色に染まったカラマツを眺めて進みます。



黄金色に染まったカラマツ




■10:12 富士山中腹の五合目の奥庭からの富士山ですが、平地から見る富士山の姿をしています。



富士山中腹の五合目の奥庭からの富士山




■10:12 画面中ごろにスバルラインの道が見え、その上から矮性化したカラマツ、コメツガ、シラビソ等の木々が山腹をよじ登っていきます。



奥庭からの富士山




■10:15 この季節の奥庭は、黄金色のカラマツと富士山の景観が素晴らしい。



奥庭、カラマツと富士山





■10:19 富士山五合目は快晴。空が青い。



紅葉の奥庭




■10:22 散策路の横にミヤマハナゴケとコケモモが生えていました。

ミヤマハナゴケ(深山花苔)は火山噴出物スコリアに生息するパイオニア植物。ミヤマハナゴケは名前にコケがついているが地衣類。可憐で、美しく、白いサンゴのようです。コケモモとの色の対比が良く、心が癒されます。




散策路の横にミヤマハナゴケとコケモモ




■12:24 カラマツを前景に富士山



カラマツを前景に富士山




■10:29 奥庭の富士山展望地に着きました。










■10:29 奥庭富士山展望地から。

富士山の全貌が見えます。スバルラインの上に御中道が通っています。奥庭の上がお中道のお庭、その右に進むと大沢崩れ、左に進むと小御岳です。御庭から大沢崩れ方面の森林限界が、小御岳方面に比べかなり高いところにあります。太陽の当たり方、風の当たり方の違いなのか。また、夏に歩いた時に見た富士山山頂に迫るパイオニア植物群が殆ど見えません。この季節には殆ど枯れているようです。




奥庭の富士山展望地からの富士山







■10:35 奥庭富士山展望地から。東屋が有ります。カラマツの樹木で太陽光を遮り撮影。




奥庭の富士山展望地からの富士山






■10:36 黄金色のカラマツと富士山。 壁紙用(WUXGA1920*1200)



富士山中腹の奥庭からの富士山


(WUXGA1920*1200)




■10:36 奥庭の上にスバルラインが走り、その上に御中道のお庭があり、この後登ります。



奥庭の富士山展望地からの富士山、スバルライン




■10:36 奥庭からの富士山山頂部



奥庭の富士山展望地からの富士山山頂




■10:36 富士山山頂の冠雪部。まだ岩肌に雪をまぶした状態です。



奥庭の富士山展望地からの富士山山頂冠雪部




■10:38 富士山展望地から少し進むと展望台があります。富士山北西部を眺める展望台です。
朝霧高原の後ろの毛無山、雨ヶ岳、竜ヶ岳、その右に樹木で隠れていますが本栖湖。それらの後ろに赤石岳、白河内岳、北岳などの南アルプスが見えます。



奥庭展望地




■10:43 奥庭入口に戻ります。円になった道なので、来た道とは違う道を進みます。枯れ木を前景にして富士山。



奥庭、枯れ木と富士山




■10:47 進む方向に富士山が見えるので、快適な歩きです。



奥庭からの富士山




■10:49 樹木の間からの富士山。秋の色彩に溢れています。



奥庭の樹木の間からの富士山




■10:52 太陽光を遮らないで撮影。



奥庭からの富士山





■10:54 天狗岩に戻りました。



奥庭天狗岩からの富士山




■11:01 奥庭入口-奥庭バス停に戻りました。



奥庭入口-奥庭バス停からの富士山




■11:14 バス停の道の右側から御中道へ行く道を登ります。



バス停の道の右側から御中道へ行く道




■11:15 見上げると、みどり、あか、きいろ、あおの秋色に溢れた空間。



みどり、あか、きいろ、あおの秋の空間




■11:22 山腹の主体は黄金色のカラマツ。



山腹の主体は黄金色のカラマツ




■11:24 道の下は富士山を囲む御坂山地の山なみ、その上に南アルプス。雲の右側に本栖湖。



道の下は富士山を囲む御坂山地の山なみ





■11:29 こんなにたくさんミヤマハナゴケが生えていました。胸の中で歓声をあげて、かなり喜びました。



ミヤマハナゴケ




■11:29 地面も秋の色彩に溢れています。



ミヤマハナゴケ




■11:34 バス停から30分程で御中道に到着。本日の唯一の山登りです。御中道の右に行くと森林の中を進み大沢崩れに着きます。左に進むと御庭-小御岳です。



御中道に到着




■11:38 すぐにお庭のほうには行かず、廃屋になった御庭山荘の右手の斜面を登ります。登り道らしきものはあります。



廃屋になった御庭山荘




■11:40 富士山と河口湖周辺の山々、ふじ道も見えます。この季節の御中道では、黄金色のカラマツが溢れているここからの景観がお薦めです。




富士山と河口湖周辺の山々





■11:42 登山者に撮影を頼まれ、ついでにこちらも一枚お願いして記念撮影。陽射しがあるのでこの服装で寒くはないが、風が強いため、できるだけ風がない窪地で昼食を取る。



記念撮影








  ランチタイム 11:50-13:10  






贅沢な野外ランチ場所です。


(1)上を見上げると紅葉の樹木が迫る富士山山頂。


紅葉の樹木が迫る富士山



(2)下を眺めると河口湖周辺の黒岳、三ツ峠などの山々、富士みちをはさんで倉見山。富士山から富士みちを眺めるには最適な場所です。



河口湖周辺の黒岳、三ッ峠などの山々



(3)ランチ場所の周りには黄金色のカラマツ


黄金色のカラマツ



スコリアの地面に育つカラマツの幼木。黄金色は、大きな木よりも鮮やかです。


スコリアの地面に育つカラマツの幼木



(4)地面はミヤマハナゴケで色彩豊か。コケモモと仲良しでいつも一緒にいるようです。



ミヤマハナゴケとコケモモ



7月、9月に訪れた時、御庭周辺に生えているミヤコハナゴケに出合い、すっかりミヤコハナゴケ愛好者になりました。

今回、ミヤマハナゴケがどのようになっているかを見ることが、目的のひとつでしたが、10月でも鮮やかな白色をしているので驚きました。

また、スバルラインから登る道とこの周辺がミヤコハナゴケの群生地であることがわかりました。




ミヤコハナゴケ




絶景を眺めながら、ゆっくりとおにぎりを食べ、好物のチョコが付いた種なし柿を食べ、トラジャーコーヒーを楽しみ、少しうとうとします。70分のランチタイム。







■13:13 富士山をもう一度眺めてから出発しました。



富士山と河口湖






■13:19 7日前に冠雪した富士山山頂



7日前に冠雪した富士山山頂




■13:21 また、見事なミヤマハナゴケが生えていました。



ミヤマハナゴケ




■13;23 御庭の東屋に着きました。



御庭の東屋




富士山の寄生火山


 火山の中腹や裾野に、新たに噴火してできた小さな火山を寄生火山といいます。
 富士山には、その山腹や裾野に数多くの円錐状のコブがありますが、これはマグマが富士山の地中の弱い所を破って、地表に噴出して形成した寄生火山です。
 富士山の寄生火山の代表例は、宝永火山や大室山ですが、その他大小100個以上の寄生火山があるといわれています。
 ここ御庭・奥庭付近にある「ロート」状のくぼみは、寄生火山の火口の部分が地表にあらわれているものです。





■13:24 御庭からの富士山



御庭からの富士山




■13:24 御庭からの富士山山頂部



御庭からの富士山山頂部




■13:32 パイオニア植物群は枯れたのか、殆ど見られません 。



御中道からの富士山




■13:47 御中道は森林限界付近を通っているので、小御岳に行くまでに富士山山頂の見慣らしの良いところが数箇所あります。そのひとつ。



御中道からの富士山





■13:48 御中道の左側には御坂山地とふじ道。



御中道の左側には御坂山地




■13:49 前回来た7月27日、9月10日で見られたパイオニア植物群の殆どが消えていました。今回、10月18日に黄色のパイオニア植物群が山頂をよじ登るところを見たかったのですが、残念でした。時期としては遅かったようです、9月10日で少し色づいていたので、9月の終りごろといううことか。



パイオニア植物がない富士山




2014..9.10 16:13 御中道からの富士山


2014..9.10 16:13 御中道からの富士山





■13:52 風のために捩れた白いダケカンバの間を進みます。



白いダケカンバの道




■13:56 樹木の間から富士山山頂部



樹木の間から富士山




■13:59 御中道の周りにはカラマツとダケカンバが多い。



カラマツとダケカンバの道




■14:00 富士山の初冠雪が7日前の10月11日、パイオニア植物も消えて、富士山は冬支度というかんじです。



冬支度の富士山




■14:01 来た道を振返って眺める。右のすそ野がどこまでも続きます。



富士山のすそ野




■14:02 雲が多くなってきました。



石畳道と富士山





■14:10 7月にはパイオニア植物がスコリアの表面を覆っていましたが、まばらに見える黄色の斑点は低木のようです。



富士山




■14:16 小御岳のお中道出発点近くの紅葉。



小御岳のお中道出発点近くの紅葉




■14:28 スバルライン五合目バス停に到着。繁華街並みに人で溢れていました。一段低いところにあるトイレの横の展望台から。小御岳周辺では、ここからが富士山が最も下の方まで見えるようです。残念ながら山頂は雲に隠れてしまいました。



トイレの横の展望台からの富士山




■15:10 河口湖駅行きバス出発。バスは満員で座れず、10人ほど乗れない人がいました。



河口湖駅行きのバス





■15:55 河口湖駅到着



■「小御岳-御庭の御中道歩き記 2015年10月18日」 END





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