大野山・御中道からの富士山がいる大展望-その合成画像の作成




「富士山展望」の殆どのページで「富士山がいる大展望」の画像を掲載しています。「富士山がいる大展望」は数枚の写真を合成して作ります。

1 富士山展望の山の殆どは富士山から12㎞以上離れたところにあり、そこからの「富士山がいる大展望」の合成作成は問題なくできました。
  「大野山からの富士山がいる大展望」で記述します。

2 しかし、富士山の中腹にある、御中道、宝永山、二ツ塚からの「富士山がいる大展望」では、これが私の眺めた富士山であるというなかなか画像ができません。
  その経過について、御中道からの富士山がいる大展望で記述します。




大野山からの
富士山がいる大展望
御中道からの
富士山がいる大展望
その1
御中道からの
富士山がいる大展望
その2
御中道からの
富士山がいる大展望
その3

   その1、2、3






 御中道からの富士山いる大展望





「御中道で自分が眺めた富士山全体の景観画像を掲載する」を目的として、撮影した写真を使いPhotoshopで合成画像を作成しました。

この合成画像と自分が眺めた富士山の全体像を比較し、異なっている場合、さらに画像処理を行えばよいと思っていました。

しかし、自分が眺めた富士山の全体像が不明瞭であることに気がつきました。

ジーと眺めて脳内に保管したと思っていた富士山の全体像が、脳内の引き出しから出てきません。実写した写真、それの合成画像を見たことにより、脳内の信号処理系統が乱れたためと思われます。

そのため、「御中道で自分が眺めた富士山全体の景観画像を掲載する」と記述することは諦めました。その検討過程を以下に記載します。


1.実写の画像を合成

1.1 合成、トリミングにより作成した富士山の画像。(2014.9.10 16:43撮影)

御中道の小御岳ー御庭間で五合目以上の富士山全体が見える展望地から撮影。富士山を含む景観の角度はほぼ200度です。そのため、肉眼でも全体を一望できず、首を2回まわして眺めます。

写真一枚では富士山全体を撮影できないため、4枚撮影して合成しました。カメラはPENTAXQ7、レンズは超広角ズームレンズ08を使い、視野角102度の広角側で撮影(35ミリ判換算で焦点距離17.5mmー27mm相当、画角は102-77度)。


富士山全体の合成画像(A)

富士山全体の合成画像(A)


1.2合成手順

(1)カメラは手持ちで、注意深く水平にまわして4枚の写真を撮影。(カメラの画面に水平画角を示す印が付いています。)4枚の写真相互に重なる部分ができるように撮影します。



写真①
写真②
写真③
写真④
富士山の写真① 富士山の写真② 富士山の写真③ 富士山の写真④


(2)合成する前に、各写真を見る。

山頂部:②と③を比べると共通するすそ野と空の境界線の傾きは黒線の③に比べ、赤線の②はかなり大きいです。縦方向で見ると②赤線②比べ③の黒線の間隔が長くなっています。③と④でも同様です。





写真②、③、④を重ねた画像⑤。
    
②と④は半透明画像を使用。

赤線は②、④の各部分。黒線は③の各部分。②と③は雲の箇所を重ねる。③と④はすそ野の共通する部分を重ねる。

写真②、③、④を重ねた画像⑤


写真①、②を重ねた画像⑥。

すそ野部:重ねた人物の上の黒線と赤線は重なり、すそ野と空の境界線の傾きの違いも山頂部に比べかなり小さい。


写真①、②を重ねた画像⑥。

①と②とも半透明画像を使用。

黒線は①の各部分。赤線は②の各部分。①と②は御中道を歩く人物を重ねる。

写真①、②を重ねた画像⑥

これらの写真を用いて合成します。山頂部を合成するには相当の処理が必要と思います。


(2)AdobeのPhotoshopで合成



Photoshopで【ファイル】-【自動処理】-【Photomerge】 を選択し、①、②、③、④の画像をを選択して、レイアウトを指定します。


選択するレイアウトは、パノラマの作成方法によって異なります。


【自動設定】Photoshop によってソース画像が分析され、遠近法、円筒法、球面法のうち、Photomerge の生成に適したレイアウトが適用されます。


【遠近法】複数の元画像から 1 つを参照画像として指定し(デフォルトでは中央の画像)、一貫したコンポジションを作成します。
次に、複数のファイル間で重なり合うコンテンツが一致するように、その他の画像が変形されます(必要に応じて、再配置、拡張またはゆがみが行われます)。


【円筒法】折り畳まれた円柱上に個別の画像を表示することで、遠近法レイアウトで発生する可能性がある蝶ネクタイ状のゆがみを軽減できます。複数のファイル間で重なり合うコンテンツは一致したままです。参照画像は、中心に配置されます。横広なパノラマを作成する場合に適しています。

【球面法】球面内部にマッピングするように画像を整列および変換します。360 度にわたる画像セットがある場合は、これを使用して 360 度パノラマを作成できます。「球面法」を使用すると、他のファイルセットでもパノラマのような結果が得られます。


【コラージュ】複数のレイヤーを整列させ、重なり合うコンテンツを一致させ、元のレイヤーを一致させ(回転または拡大・縮小)ます。


【位置の変更】複数のレイヤーを整列させ、重なり合うコンテンツを一致させます。ただし、元のレイヤーの変形(拡張やゆがみ)は実行されません。


レイアウトを選択して、「OK」をクリックし合成します。


Photshopの合成方法 



(3)「遠近法」、「コラージュ」、「位置の変更」で行った合成画像

「遠近法」、「コラージュ」、「位置の変更」では合成不可でした。視野角が大きく、重ね分が大きく異なると、合成できないようです。



(4)円筒法で行った合成画像


「折り畳まれた円柱」がどのようなものかわかりませんが、「横広なパノラマを作成する場合に適しています。」と記載がある円筒法で合成。

①、②、③、④の合成画像(B)は各画像の変形は大きいですが、一見したところ重ねた箇所がわからないほど巧妙に合成されています。

①、②、③、④の各レイヤー画像(C)をみると、重ね分が自然に見えるように各画像の変形、つなぎ合せが行われているようです。

この画像(B)の重ね部の修正、樹木の垂直性の調整などのを行い、トリミングして画像(A)を作成しました。


①、②、③、④の円筒法による合成画像(B)


①、②、③、④の円筒法による合成画像(B)



合成画像(B)の①、②、③、④の各レイヤー画像(C)


合成画像(B)の①、②、③、④の各レイヤー画像(C)




(5)実写写真と合成画像の比較

写真③と合成画面(B)の景観は、見る側の受けるイメージが異なるほど違います。この2枚は、同じところからの同じ富士山かと思うほど違います。

HPにこれが御中道からの富士山と画像を掲載する立場として、戸惑います。これに関しては、後で検討。

富士山すそ野の下部は写真と合成画像でも、さほど違いはありません。


写真③


写真③



合成画像(B)中央部


合成画像(B)中央部



写真③と合成画像(B)中央部の重ね画像。写真③は半透明。

写真③と合成画像(B)中央部の重ね画像

左すそ野部の比較 すそ野の傾斜を比較するため、境界線を重ねていません。


左すそ野部の比較


右すそ野部の比較


右すそ野部の比較






(6)6枚の縦長写真を用いた円筒法による合成画像

縦方向の長さが必要なパノラマの景観を合成する時にこの方法を用いるため、横長の写真を用いた合成画像と比較検討を行った。合成画像ははほぼ同じであった。


写真T①
写真T②
写真T③
写真T④
写真T⑤
写真T⑥
富士山の写真T① 富士山の写真T② 富士山の写真T③ 富士山の写真T④ 富士山の写真T⑤ 富士山の写真T⑥



     縦長写真6枚を用いた円筒法による合成画像(D)。 何故か左側が縦に長くなって合成されます


 縦長写真6枚を用いた円筒法による合成画像(D)




横長写真①、②、③、④の円筒法による合成画像(B)と縦長写真6枚を用いた円筒法による合成画像(D)の比較。ほぼ同じです。


横長写真①、②、③、④の円筒法による合成画像(B)と縦長写真6枚を用いた円筒法による合成画像(D)の比較



(7)球面法による合成

「球面内部にマッピングするように画像を整列および変換」と記載がある球面法で合成。

球面法と円筒法の合成方法の技術的違いがわからないので、単純に画像を比較すると、球面画像の方が、両端部が上に上がり、すそ野の傾斜がなだらかになっています。



①、②、③、④の球面法による合成画像(E)


①、②、③、④の球面法による合成画像(E)




球面法の合成画像(B)と円筒法の合成画像(E)との比較。(E)は半透明画像で右に少し傾けています。


球面法の合成画像(B)と円筒法の合成画像(E)との比較



(8)Photoshopを用いて、円筒法の合成画像(B)を変形

縦収縮、横収縮、下部収縮などいろいろな変形が可能です。もし「眼に見えた景観の画像」があれば、合成画像、変形技術を使い「眼に見えた景観の画像」により近い画像を得ることができます。


 横幅縮小


円筒法の合成画像(B)を変形横幅縮小


横幅拡大


横幅拡大


下部縮小


下部縮小




(9)TMS法の合成画像

TMS法とは、自分が行った写真①、②、③、④の合成法に勝手に命名した方法です。写真①、②、③、④を拡大と回転により合成しました。Photoshopの【コラージュ】を、手作業で行う方法だと思います。

(*Photoshopの【コラージュ】:複数のレイヤーを整列させ、重なり合うコンテンツを一致させ、元のレイヤーを一致させ(回転または拡大・縮小)ます。)


各写真のすそ野と空の境界線、中腹の目印線の傾きがかなり異なり、相当の変形を行わないと合成できないと思ったが、4枚の写真を拡大収縮し、回転することにより、意外と合わせ目が一致して結合した。

各写真はほぼカメラを水平にして撮影したが、それを回転することにより結合することが面白い。いろんな画像合成方法があり、その合成方法により画像は異なってくることがわかります。


①、②、③、④のTMS法による合成画像(F)


①、②、③、④のTMS法による合成画像(D)




合成画像(F)をトリミング



合成画像(D)をトリミング



合成画像(F)をトリミング、変形(端部の樹木が中央側に傾いているのを補正し、更に縦長する)

①②④の写真部分の変形が大きく空、登山道に不自然さを感じる


合成画像(D)をトリミング、変形


三種の合成画像を作成したが、合成方法によって各々異なった景観となる。

円筒法による合成画像(A)が最も自然な感じと思っても、
「この合成画像(A)が、私が御中道で眺めた富士山の景観です」とは、まだ言えないので先に進みます。



2.カシミール3Dによる展望図作成


カシミール3Dソフトで富士山の展望図を作成

カシミール3Dは山歩きをする人にとって素晴らしいソフトで、その中に展望図を作成する機能がある。展望図作成の設定を調べると、カメラの設定がある。展望図を作成するにはカメラに写る画像をソフトで作成し、その画像を処理するようです。

ある地点から、「光学的にはこのように見えます」。または、「人間の目にはこのように見えます」という都合の良い設定はありません。他に手がかりとなる方法が無いので、カシミール3Dの展望の検討を記載します。


カメラの高度な設定のオプションには以下の機能があります。





(1)タイプ

・ノーマル

 35mmフィルムのカメラをシミュレートします。 風景を平面に投影します。 普通のCGを作る場合にはこのオプションを選択してください。風景や展望がもっとも美しく表現できます。 通常の使用には[コンパクトカメラ]、最大限の美しい画像の作成には[プロ用高級カメラ]。広角側では実際のカメラのように、画面のはじにいくに従って画像は歪みます。

・パノラマ

 主に展望図など広角側で使えるカメラです。風景を方位角-高度角座標系(円筒)に投影します。広角側でも画像は歪みません。



二つの設定で展望画像作成

(1)上記写真①②③④を撮影した位置思われる地点に、撮影ポイントを設定しました。扇状の形状の要の位置が撮影ポイント地点です。富士山が中央に来るように方向を設定し、焦点距離16mmのカメラ設定を行いました。正規の手順にはありませんが地図上に目印となる等高線を書き込み、それがどのように撮影されるか検討しました。



富士山地形図



(2)設定 カメラ:ノーマル、PROプロ用高級カメラ、焦点距離:16mm 風景の描写:地図との合成マッピング・白



カシミール3Dによる合成、カメラ:ノーマル、PROプロ用高級カメラ



(3)設定 カメラ:パノラマ、PAN展望用パノラマカメラ、焦点距離:16mm 風景の描写:地図との合成マッピング・白



カシミール3Dによる合成、カメラPAN展望用パノラマ



(4)目印として描いた等高線がノーマルではほぼ直線、パノラマでは上に湾曲しています。ヒトの目に、等高線がどのように見えるかがわかれば、どちらのカメラがヒトの目に近いかの基準になると思います。円錐上に描いた等高線であれば、等高線と同じ高さで見れば直線、等高線より低いところから見れば上に湾曲すると思います。そのため、パノラマでの撮影画像が実際に見えた画像に近いと思われます。しかし、撮影地点からの富士山の形状が正確な円錐状になっているかどうかが不明なため、はっきりしたことはいえません。


(5)カシミール3Dノーマルで作成した画像と実写写真③との比較。似たような形状ですが、すそ野の傾斜は実写写真③③の方が大きい。


カシミール3Dノーマルで作成した画像と実写写真③との比較



(6)カシミール3Dパノラマで作成した画像と実写写真①②③④の円筒法による合成画像(B)との比較。富士山の形状はかなり一致しています。



カシミール3Dパノラマで作成した画像と実写写真①②③④の円筒法による合成画像(B)との比較

(7)まとめ
カシミール3Dソフトでノーマルとパノラマの二種のカメラを用いて富士山の展望図を作成しました。カメラの種類により富士山の景観は異な恵います。
しかし、人間の見た画像がどちらに近い画像であるとい昨日はなく、その検討を行っていないため「この画像が、私が御中道で眺めた富士山の景観です」とは、まだ言え
ません。


3、御中道で眺めた富士山はどのように見えたか。

今回の検討の目的は、「御中道で眺めた富士山全体の景観画像を掲載したい」です。富士山全体の画像はPhotoshopの写真合成機能より作成できました。では、その「合成画像(B)」と「自分が眺めた富士山全体の景観」を比較し、異なっている場合、さらに画像処理を行えばよい。

しかし、最大の問題点は、自分が眺めた景観は脳内にしかなく、その画像が作れないということです。

御中道に立ちジーと眺め写真を撮りました。その時ジーと眺めた景観がどのようなものであったかわからない。特に違いが大きい山頂部が写真③と合成画像(B)のどちらに近いかはわかるだろうと自分に問いかけても、答えは「わからない」。これほどの違いがあるからわかるようであるが、両方に見えた気持ちになってしまいます。


写真③
合成画像(B)中央部
写真③   
   合成画像(B)中央部


写真③は実際に撮った写真ですから、広角レンズのひずみがあるとしてもこのように見えたのではないかと思っていた。しかし、角度を変えた写真4枚を見ると、すそ野と空の境界線の傾斜はやはり③では無く②④にようにかなり大きな傾斜があったように思う。そうすると、合成画像(B)に近くなる。

そこから、富士山全体の合成写真だけでなく、実写した①②③④の各写真が、自分が眺め脳内に収めた景観と同じか否かがわからない状態になっている。自分の脳の処理範囲を超えている状態です。


写真①
写真②
写真③
写真④
富士山の写真① 富士山の写真② 富士山の写真③ 富士山の写真④


これらの混乱した状況を解きほぐしてくれる、簡潔で明解な記述を見つけたので、引用させてていただいた。


 そもそもわれわれが目で外界を見るという行為は、レンズで外界をフィルムの上に写し取るといった、カメラがやっているようなメカニカルな客観的行為ではないのである。たしかに、外観は眼球の水晶体のレンズ作用によって網膜の上に光点の集合として写し取られる。しかし、見るという行為は網膜のうえで成立するものではない。光信号は網膜で電気信号に変換され、脳に運ばれて非常に複雑な信号処理を次々に受けていく。はじめ、網膜から脳の後頭葉に運ばれた電気信号は、そこで、第一次情報処理を受けてから、その情報が、その後脳の各部をめぐりながら、2次、3次の情報処理を受けていくのである。ヒトの見るという行為は、結局、脳が作り出したイメージをみるということに他ならない。

 「自分は世界がこのようにあるということをこの目で見て知っている。」

とヒトはいうかもしれないが、実際には、ヒトは脳が見せるように世界を見ているだけの話なのである。そういった意味では、人間の視覚とカメラは違う仕組みで世界を見ている。写真に写った像と、自分が見た像が同じように見えるのは、写真で取った下界の像をもう一度見て、脳が下界を見たときと同じ信号処理をほどこすから同じようにように見えるのである。

 信号処理を変えたら、もちろん違って見えるのである。写真をコンピューターで画像化するときに、ストレートに画像化するかわりに、途中でいろんな信号処理を施せば、コンピューターグラフィックスでよく見るように、どんな画像でも自由自在に作り出すことができる。基本的には脳でも同じなのである。



サイト「筑波大学 芸術」内の 高山誉史:任天堂(株) の修士論文。




学術上この記述がどのように認定されているかは不明ですが、自分としては「全くその通り」と全面的に受け入れました。

上記検討から、次のようにまとめました。


(1)御中道で眺めた富士山の全体画像

富士山の景観をジーと見る凝視の視野角は60-90度ですので、富士山全体を眺めるには首を2,3回まわす。脳内でその凝視画像を3,4枚ほど重ねて合わせて富士山全体の合成画像を作成する。写真を使うPhotshopの場合円筒法を用いているが、脳内ではその人の情報、技法に基づく信号処理法を用いて合成画像を作成する。合成画像の各部分は、凝視画像とは異なった画像になっていると思われる。これによって作成された富士山の全体像は脳内の引き出しに保管される。(実際には視線を水平に移動して連続して景観を眺めているとしたら、多数の画像が合成することになるが、その合成過程は基本的には同じと考える。)


(2)脳内の富士山の全体画像とPhotshop円筒法による合成画像

山歩き記の富士山の全体像を作るには、①②③④の各写真を合成しなければならない。Photshop円筒法で合成画像を作成する。この合成画像を、脳内にある富士山全体像と比較して、修正を行う、または、「山の傾斜角度はもう少しなだらかです」などのコメントを出せばよい。しかし、脳内の富士山全体像がはっきりしない。Photshop円筒法の合成画像及び合成画像と各部が異なる①②③④の各写真を見たことにより、脳内の信号処理系が乱れて、脳内の引き出しにある画像を取り出すことができないようである。


(3)写真の景観

遮断板を左右に置き、視野角を100度にしてそこだけ眺めたら写真③のように見えるかもしれません。しかし富士山全体を眺めた後、③の景観を見ているので、富士山全体像の情報が脳にあるため合成画像像の中央部に近い景観に見えるかもしれません。

各写真においても引用文にある「写真で取った下界の像をもう一度見て、脳が下界を見たときと同じ信号処理をほどこすから同じようにように見えるのである」さえもできない状態です。


(4)富士山全体の合成画像および写真をHPに載せる

首を2,3回まわせば眺められる地点があることを記載し、その地点からの富士山全体画像をHPに載せる。また、合成してない写真③も載せる。しかし、自分が眺めた景観とそれらの画像とのの違いはわからない。

そのためHPを見ていただいた方の違和感を解消するため、(解消するには不充分であるが)次のメントを記載する。



掲載画像について


「小御岳-御庭の御中道歩き記」をここまでご覧になって、富士山の各景観に違和感を持った方もいると思います。富士山のすそ野と空の境界線の傾斜が異なる富士山が出てくる。そのため、各画像の景観から受けるイメージが異なる。

そこで、あえて同じ時刻12:02、同じ地点からの画像を二枚載せました。

【12:02Aの画像】PENTAXQ7、広角ズームレンズ08により撮影して、上下をトリミングした画像です。

   

【12:02Bの画像】12:02Aと他3枚の写真を、Photoshopで合成してトリミングした画像です。広角のレンズを使っても一枚では富富士山の全体像を撮影できないため写真合成が必要です。

   


2枚の画像の富士山山頂部の形状は明らかに異なります。では、自分が眺めた富士山はどちらの画像に近いか。無責任と思われますが、わかりません。自分の眺めた富士山の形状がでてきません。

これより、以下のことをお願いします。
「小御岳-御庭の御中道歩き記」の各掲載画像は上記の2方法により作成した画像であり、それらによって作成された富士山像は異なった形状となることを了解して、各掲載画像を見ていただきたいと思います。

合成画像作成方法と自分が眺めた富士山との比較検討はこちらで








(4)景観の感想

合成画像(B)の景観には「窪地がほぼ正面に来て、なだらかに延びる左右のすそ野を見られる展望地点。」と記載します。これは間違ってはいない。

他の景観も、自分が眺めた景観と写真の景観は全く同じものではないという前提をもちながら、掲載画像に基づいて感想を記載します。





   その1




自分の眺めた景色を画像化する方法はないか





自分の眺めた景色を画像化する方法はないか

(1)絵画のスケッチで使う方眼状に線が引かれた透明版を目の前に置き、そこからの景観を紙に描く。

  方眼状に線が引かれた透明版を置いたことにより、脳内の信号処理系が変化して、信号処理が異なる画像ができそうです。また、二つの目で見るので、透明版を置く位置で違ってくるか。
      また、方眼状に線が引かれた透明版を180度回転させ、複数回行うと、更に問題が出てきそうです。

(2)スケッチの達人100人を集め同じ景観を描いてもらう。

  100人の感覚の違いを比較するだけか。

(3)脳内にある画像情報を電気処理により、平面に画像化する。

  200年ほど待たないといけないか。そもそも「脳内にある画像情報」は無いかもしれない。






   その2




合成写真作成 ケース2


合成写真作成 ケース2


(1)撮影ポイントは本編より小御岳側いある御中道。御中道の脇に置き石があり、山頂下の溝が右側にあります。

(2)用いた写真。富士山山頂部が右端に位置する写真⑥、富士山山頂部が左端に位置する写真⑦を用いた。富士山山頂部が中央に位置する写真⑨は参考写真。



写真⑤
写真⑥
写真⑦
写真⑧
写真⑨
富士山の写真⑤ 富士山の写真⑥ 富士山の写真⑦ 富士山の写真⑧ 富士山の写真⑨



(3)TMS法で合成。富士山が端部に位置するとすそ野の傾きが大きく変化する。⑥⑦⑨が同じ山頂部とは思えない。しかし、山頂部に注目して重ね合わせを行うと、変形を行わなくとも⑥⑦⑨の傾きを変えることで山頂部の形状はほぼ一致した。同様に⑤⑧を重ね合わせた。すそ野と空の境界線は重ね合わさったが、全体画面でみると両端が反り返ってしまい、画面にある樹木は中央に向けて傾いている。

画像は省略するが、樹木が垂直になる状態で重ね合わせると、山頂部が合わない。これが、レンズの歪のためか、撮影する角度の違いによるかは不明。



富士山の画像合成



(3)画像下部を縮めて、樹木の傾きを補正。写真⑤⑧の変形が大きくなり、空、登山道に不自然さを感じる。この合成方法は180度の景観を合成するには無理があるようです。





富士山の画像合成



(4)Photoshopの「遠近法」、「コラージュ」、「位置の変更」では本編と同じで合成不可。これらのレイアウト処理を使っては、、視野角の大きい写真では合成ができないようである。球面法は省略。


(5)Photoshopの円筒法で合成。画面全体が湾曲する感じがあるが、全体の違和感は少ない。参照する「自分が眺めた景観」の画像が無いのでこれ以上の感想は書けない。

山の中腹に真っすぐで長い棒がある景観だとそれをもとに補正ができるか。しかし、その棒が180度視野角で(工学的に、ヒトの目に)どのように見えるかも相当難しそうである

当サイト全体のパノラマ図作成には、円筒法による合成画像を使うことにした。


Photoshopの円筒法で合成した富士山


Photoshopの円筒法で合成した富士山












   その3




御中道・宝永山・二ツ塚で行なった合成写真を掲載




(1)小御岳~御庭からの富士山 連続写真を合成して360+α度の景観。    2015年7月27日11時55分


 



実際に肉眼でも見わたしたと思いますが記憶には一切残らない景観です


御中道からの富士山360度






(2)富士宮口五合目レストハウス屋上から 2014年8月22日 9時19分





 富士宮口五合目レストハウス屋上から。標高2400mからみた富士山、すぐに登れそうです。 3776m-2400m=1376mの高さの山と思えば、それほど不思議ではないか。



五合目レストハウス屋上からの富士山

 


 ●注:
富士山山頂部があまりにも近いため、広角のレンズを使っても、一枚の写真では全貌を写すことができません。そのため、「宝永山と二ッ塚」では3-6枚の画像を合成して一枚のパノラマ写真にしていることがあります。180度近くの範囲を平面に合成するため、画像に変形、歪みが生じます。合成の方法により変形、歪みは異なりますが、ここで用いた方法では、中央部が上下に広がる画像になります。上二枚の写真の場合、富士山本体のすそ野の角度が大きくなります。
肉眼ではより平坦にみえました。以上を了解してこれからの画像をご覧ください。

 ・カメラ:ペンタックスQ7 
 ・レンズ:広角ズーム 08 WIDE ZOOM 、焦点距離 3.8mm~5.9mm(35ミリ判換算 17.5~27mm相当)、画角 77-102°
 ・画像合成:Adobe Photoshopの自動パノラマ合成機能「photomerge」、レイアウトは主に円筒法。






 このサイトでは合成画像に対して「肉眼ではより平坦にみえました。」と自分が眺めた富士山の画像と比較して感想を述べています。自分の眺めた景色を画像化できると思って書いてます。今思っても満更出まかせを言っているようではないです。この時点ではそのように感じたと思います。本文と異なることを述べいる自分が恥ずかしい。このコラムの問題は相当難解なため、これでいいと思い先に進む。








 

(3)宝永山の馬の背からの富士山山頂部 2014年8月22日 11時09分





馬の背横の尾根にたどり着きました。5合目を出発してから、ようやく富士山らしい富士山が見えました。大きな傷を負っても、堂々とした姿が美しい。

❶それにしても、宝永第一火口が大きい。山体の殆どが宝永第一火口で占められている。そこで、高さ確認。宝永第一火口上部は3200mほどですの宝永第一火口下部との標高差3200m-2400m=800m、火口上部から富士山山頂との標高差 3776m-3200m=576m、1.5倍ほどであるが4倍以上の長さがあるように見える。宝永火口がこれほど大きく見えるのは、宝永第一火口に接した位置から眺めたためか。


❷また、宝永山から見る富士山の山稜の傾きが大きい。御中道や二塚でこのような傾斜が大きい富士山は見られない








 

この宝永山の馬の背からの富士山山頂部は下の写真3枚を合成して作成しています。


     



合成された山頂部は、元の写真より傾きは置きくなっています。





しかし合成された富士山でもこのような傾きを持った富士山は有りませんでした。宝永山と富士山の方位角がほぼ同じの玄岳からの富士山を示します。これと合成された宝永山からの富士山を重ね合わせます。

富士山の山稜の傾きはほぼ同じです。











「宝永山からの富士山の山稜の傾斜は何故大きいか」

大きな謎がまた一つ増えました。次回に検討。次回の予定は未定。







 

(4)本編での富士山の合成画の傾斜と同じ方位角の雪頭ヶ岳からの富士山の傾斜





本編では、合成画像と単独写真の比較しか行っていないため、合成された富士山と同じ方位角kらの富士山との山稜の傾斜比較は行っていません。ここで行います。

富士山合成を行った御中道のは富士山剣ヶ峰からの方向角350度ぐらいですので。345度の雪頭ヶ岳と比較します。

雪頭ヶ岳からの富士山の山稜の傾斜は、合成作成された御中道からの富士山の山稜の傾斜よりかない大きいです。





雪頭ヶ岳からの富士山







4枚の写真から合成作成された御中道からの富士山(B)と雪頭ヶ岳からの富士山