葛飾北斎の「富嶽三十六景 甲州三坂水面」の逆さ富士








 



4 隠れ逆さ富士のある山


4−1 「富嶽三十六景 青山円座の松」の隠し富士

「富嶽三十六景 青山円座の松」には、点対称の逆さ富士が描かれています。一見したところ気がつきにくいが、よく見ると富士山の左下に、青山円座の松と樹木と屋根で逆さ富士を形成している。




葛飾北斎 富嶽三十六景 青山円座の松


葛飾北斎 富嶽三十六景 青山円座の松 1831-34年(天保2-5年)

ウィキペディア 「富嶽三十六景」より引用



4−2 富士山展望の山からの景観でこの「隠れ逆さ富士」


(1)御坂峠天下茶屋付近からの富士山 

実像の富士と同じような形で山で囲われた富士山の虚像が右下にあります。富士山下の山の稜線が作る逆さ富士です。河口湖を冠雪部とみると大きな富士山の虚像ですが、河口湖下の部分を冠雪部とみると小さな富士山虚像となります。

御坂峠天下茶屋と書きましたが、北斎と広重の描いた御坂峠は天下茶屋の東にある御坂山と黒岳の間にある御坂峠です。太宰治が「富嶽百景」で天下茶屋がある御坂峠を、昔からある富士見三景の御坂k峠と書いたため、それが一般化してしまいました。

皮肉にも北斎が描いた御坂峠の「逆さ富士」が、北斎の時代にはなかった天下茶屋の御坂峠に現れました。


御坂峠天下茶屋付近からの富士山

御坂峠天下茶屋付近からの富士山 2014.11.16




富士山山頂の実像と虚像を結びその中心部を点対称の中心として、実像と虚像の相似性を比較しました。


御坂峠天下茶屋付近からの富士山の点対称





(2)新道峠第二展望台からの富士山 2014.12.27

 北斎の逆さ富士が隠れています。実際の撮影時は意識していませんでしたが、山歩き記をまとめている時に見つけました。数個の山の稜線と河口湖の水面が逆さ富士を形成しています。まずは、ジーーと眺めて逆さ富士を見つけてください。



新道峠第二展望台からの富士山 

新道峠第二展望台からの富士山 2014.12.27





新道峠第二展望台からの富士山の点対称 






(2)黒岳-新道峠にあるすずらん峠付近からの富士山 2014.12.27


すずらん峠からの富士山

すずらん峠からの富士山 2014.12.27




点対称としての富士山として、かなり一致しています。

すずらん峠からの富士山の点対称






(4)箱根外輪山の芦ノ湖展望公園付近からの富士山

左側が樹木ですがが逆さ富士になってます。


箱根外輪山の芦ノ湖展望公園付近からの富士山

箱根外輪山の芦ノ湖展望公園付近からの富士山 2014.10.14





(5)二十曲峠からの富士山

1月には虚像の逆さ富士も冠雪します。



二十曲峠からの富士山

二十曲峠からの富士山 2015.12.15




二十曲峠からの富士山 2014.01.10

二十曲峠からの富士山 2014.01.10


(6)新倉山の「御殿」からの富士山

新倉山山頂から200m先に富士山展望地の「御殿」があります。新倉山山頂は広場もなく展望がないため、御殿で休憩します。
富士山下の吉田市街が水面に写る富士山のように見えます。



新倉山の「御殿」からの富士山

新倉山の「御殿」からの富士山 2015.11.16

(7)新倉山・天上山・三ツ峠山分岐からの富士山
富士山方面の樹木伐採により素晴らしい富士展望地になりました。三ツ峠山を登ってくるときは、登山づの右横にあるため見逃さないように注意します。


新倉山・天上山・三ツ峠山分岐からの富士山

新倉山・天上山・三ツ峠山分岐からの富士山


(8)湯ノ沢峠から白谷丸へ行く途中の登山道からの富士山
登山道横の黄土色のカヤトが虚像の逆さ富士を形成しています。
「甲州三坂水面」の逆さ富士ではなく、「蛇追沼の不二」の水面の点対称の実像よりかなり大きな逆さ富士に対応した形です。




白谷丸と湯ノ沢峠の登山道からの富士山。変形菱形富士。

湯ノ沢峠から白谷丸へ行く途中の登山道からの富士山  2014.10.15





湯ノ沢峠から白谷丸へ行く途中の登山道からの富士山の点対称

湯ノ沢峠から白谷丸へ行く途中の登山道からの富士山 点対称の逆さ富士とほぼ2.5倍にした逆さ富士



湯ノ沢峠から白谷丸へ行く途中の登山道からの富士山の逆さ富士


富士山の形にこだわり、点対称を崩すと、カヤトに囲まれた逆さ富士が実像の富士の形状に似てきます。カヤとの中の「隠れ冨士」です。


富士山の景観として気に入っているため





蛇足の補足








1 葛飾北斎「富嶽三十六景 」の隠し富士





(1)楢崎宗重が「近い三角波の突起は遠く波間に望む富士の形と相似反覆され、その大小とその境線の配置で空間の深さを示している。」と指摘した隠れ冨士。


  神奈川沖浪裏   神奈川沖浪裏の隠れ冨士

 神奈川沖浪裏
 
 神奈川沖浪裏の隠れ冨士




(2)「浮世絵復刻版画専門店 岩下書店 RSS Feed」で勝手に隠れ富士山探しを行ってます、といって掲載していた隠れ富士


 東都浅草本願寺  東都浅草本願寺の隠れ冨士

 東都浅草本願寺




 
 東都浅草本願寺の隠れ冨士




 江都駿河町三井見世略図  江都駿河町三井見世略図の隠れ冨士

 江都駿河町三井見世略図



 
 江都駿河町三井見世略図の隠れ冨士



  上総の海路   上総の海路の隠れ冨士

 上総の海路



 
 上総の海路の隠れ冨士の隠れ冨士



 甲州石班沢  甲州石班沢の隠れ冨士
 
甲州石班沢




 
甲州石班沢の隠れ冨士





(3)当サイトでも勝手に隠れ冨士探索。

屋根の三角と富士の三角を並べた構図が多い

 従千住花街眺望富士  従千住花街眺望富士の隠れ冨士

 従千住花街眺望富士



 
 従千住花街眺望富士の隠れ冨士



 礫川雪ノ且  礫川雪ノ且の隠れ冨士
 
礫川雪ノ且



 
礫川雪ノ且の隠れ冨士



 信州諏訪湖  信州諏訪湖の隠れ冨士

 信州諏訪湖



 
 信州諏訪湖の隠れ冨士



 常州牛堀  常州牛堀の隠れ冨士
 
常州牛堀




 
常州牛堀の隠れ冨士




 武陽佃島  武陽佃島の隠れ冨士

 武陽佃島



 
 武陽佃島の隠れ冨士



 相州七里濱  相州七里濱の隠れ冨士
 
相州七里濱




 
相州七里濱の隠れ冨士




    

浮世絵版画では手に持って眺めることも多い、その時対面にいる物が気が付きます。おや、こちら側にも冠雪した富士がいる


 江都駿河町三井見世略図 180°回転  江都駿河町三井見世略図 180°回転の隠れ冨士

 江都駿河町三井見世略図 180°回転
 
江都駿河町三井見世略図 180°回転の隠れ冨士





















 
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