2 「オオイヌノフグリ」は「イヌフグリ」から (1)「オオイヌノフグリ」と「イヌフグリ」 「オオイヌノフグリ」の命名者をフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』で調べる。
「大イヌノフグリの和名は、イヌノフグリに似てそれより大きいために付けられた。」とあるので、「オオイヌノフグリ」命名の基になった「イヌノフグリ」を調べる。
「戦前にイヌフグリとよばれていたと牧野富太郎の本に書いてある」という情報しかないしかない。 ウィキペディアは根拠のない記載もあり、注意して用いる必要があります。 2015年頃には「和名の由来は、果実の形状が雄犬の「フグリ」、つまり陰嚢に似ていることから、牧野富太郎が命名した」と記載されていた。 松田山の山歩き記 2015年3月5日をはじめに書いたとき、上のWikipediaの記載から。「牧野富太郎が命名した。」と書いてしまった。 その「イヌノフグリ」の命名に関して次の指摘があります。
また、ウィキペディアの「牧野富太郎」には、牧野富太郎がイヌノフグリと命名したように記載してます。これも間違いです。2024.4..29には訂正されていました。
(2)イヌフグリについて 各サイトで見られる「牧野富太郎がイヌノフグリと命名」の記載は間違っています。 「イヌフグリ」の名前の由来に関しては上記のサイト「FLOS, 花, BLUME, FLOWER, 華,FLEUR, FLOR, ЦBETOK, FIORE: イヌノフグリ-1」が、驚くほど詳細に検討し、記載している。それらを参照して、以下記載します。 イヌフグリ」は江戸時代後期から植物譜に記載されています。 ①物品識名 2巻 「1]-[93]、{1}岡林清達著 永樂堂出版 文化6(1809)年出版。「イヌフグリ」が記載された最も古い植物譜か。
②救荒本草啓蒙 14巻. [2] 小野蕙畝救著 天保13 [1842]年。 イヌフグリの名の由来を記載した最も古い植物譜か。 婆婆納=イスノフグリとし,丸い二個の実が萼(蒂)の中に並んで付くのがイヌフグリの名の由来と記している. 「葉間ニ淡紫花一輪ヅヽ開キ蒂中ニ圓實二粒ヅヽ並ビツク 大サ一分許青色ナリ 其形ヲフグリト云」 * イスノフグリはイヌフグリか
③『本草図譜 巻之三十七 石草類三』岩崎灌園(1786-1842)(刊行1828-1844) 「いぬふぐり」名の発祥地は京か。 「婆々納 仙人草(せんにんさう) いぬのふぐり(京) たむしづる へうたんぐさ(江戸) 婆々納(救荒本草) 破々納(救荒野譜)/屋上垣の間に阿り冬月実より生ず葉小にして一二分叉ありて菊葉の如し春月葉の間に小き薄紫花を開く実ハ薺(なづな)に似て圓く扁ならず.」 ・仙人草は京ではいぬのふぐり、江戸ではたむしづる、へうたんぐさと言われているとので、京都で「いぬのふぐり」と名付けられた可能性があります。 ・現在の仙人草はウィキペディアではキンポウゲ科センニンソウ属で、イヌノフグリとは異なるようです。その理由はr不明。 「センニンソウ(仙人草、学名:Clematis terniflora DC.)は、キンポウゲ科センニンソウ属に分類されるつる性の半低木(木質の多年草)の1種」 「へうたんぐさ」は「瓢箪草」でイヌフグリの別称で出てきます。 瓢箪草:読み方:ヒョウタングサ(hyoutangusa)、イヌノフグリの別称。瓢箪草(ヒョウタングサ)はどんな植物?Weblio辞書より 「たむしづる」はGoogle検索では出てきません。
④草木図説. 前編巻1飯沼, 慾斎[他]著 イヌフグリの名の由来 「後實ヲ成ス.亦扁圓竪ニ一道アツテ殆ト二箇相接ルガ如シ.故ニフグリノ名アリ」
実際の犬の陰嚢 googleの画像検索では、画像の多くは疾患を持つ陰嚢の写真が多いため、適切な画像が出てこない。その中から正常な陰嚢の画像を二点リンクします。 リンク先の「犬の陰嚢」と上の「イヌフグリ」の実は似ています。「イヌノフグリ」と名付けたくなるほど似ていると納得。 ●一歳半のオス柴犬:睾丸の写真すみません。一歳半のオス柴犬なのですが、この睾丸の... - Yahoo!知恵袋 ●ミニチュア・ダックスフンド(1歳10ヶ月)の陰嚢:陰睾(インコウ) | ハゲコ日記 (ameblo.jp) の正常の写真を拡大 ■猫の陰嚢の方が似ています。「ネコフグリ」でも違和感はありません。:超絶かわいい『猫のふぐり』で癒されたい人のための猫ふぐり画像まとめ - Togetter 「イヌノフグリ」は落語に出てくる「八っつあん」みたいな江戸っ子が、「この植物の実はうちの犬の為五郎の陰嚢とそっくりだ、この植物の名はイヌノフグリに決定」というように江戸で名付けられたと思いました。しかし、上のイヌフグリの写真を見ると、その実は二個で6㎜ほどでとても小さく、江戸っ子の「八っつあん」はじっくり観察しないと思う。やはり、繊細で優雅な観察力を持つ京都人が名付けたと推察します。京の公方が、屋内で飼っている日本種犬「狆」の股間の二つのタマタマを見つめて名付けたかもしれない。 |