1.三国山稜の各山の名称、位置、標高の検討。 地図上で各山の名称、位置が定まっていないと山座同定はできません。しかし、三国山稜は各山の名称、位置が地図によって異なる。
表1の各地図の大元になるのは国土地理院の地図と思いますが、そこには大洞山と三国山しか記載されておらず、三角点がある地点は3箇所で三国山には標高の記載がない。また、山梨県と静岡県の県境に位置するため、両県で山の名称が異なる。また、山の傾斜が緩やかでどこが山頂か不明確です。これらが原因で、各地図で山の名称、位置、標高が異なっていると思います。 山座同定を行うため表2に示した現地の表示板と地図情報により、三国山稜各山の名称、位置、標高を検討し、その結果を図1の地図上に記載しました。山の名称、位置は昭文社山と高原地図2013版と同じです。しかし、あくまでも私的な見解です。 (1)三国山(みくにやま) 神奈川(相模国)・山梨(甲斐国)・静岡(駿河国)の三国の境に位置することから三国山と呼ばれる。三国の境は山頂より約500m東側の標高1,320m余りの中腹にあり、標高1,343mの山頂部は山梨県・静岡県境に位置する。(ウィキペディア) そのため、「三国山」を「山頂」にする地図と、「登山道分岐」とする地図がある。表示板は登山道分岐に有り、山頂付近ではなかった。登山用の地図としては、表示板がなければ困るため、ここでは登山道分岐を「三国山」とした。標高は基準点がないため、多くの記載があるが、表示板の標高を記載。 YAHOO地図が1201m地点を三国山としているのは何故か、不明。(2023年のYAHOO地図では三国の堺を三国山としている。)) (2)ヅナ峠(づなとうげ) ブナ坂峠、ズナ坂峠、ズナ峠、ヅナ峠の記載有り。表示板の名称を採用。 (3)楢木山(ならきやま) 基準点のない地点で唯一各地図において、山名と標高が一致している。しかし、表示板は作成元がわからない手作りの表示板がひとつ。 (4)大洞山(おおぼらやま) 基準点があるので、各地図において山名、位置、標高が一致している。小山町では角取山(つのとりやま)とも呼ばれる。小山町には角取神社があり、大洞山山頂付近から「角取神社奥ノ院」への道があります。山中湖村の表示板、地図では角取山の記載はありません。景図工房で1366m地点を角取山としています。景図工房は地図と連動して山座同定を行い、最も信頼度が高いサイトです。用いた地図が、大洞山と角取山に分かれていたか。(2023年、アプリの廃止のため景図工房で参座同定を見ることができません。) (5)畑尾山(はたおやま) 各地図で名称と位置は一致。標高は現地の表示板記載の1650mを採用。 (6)立山(たちやま) 太刀山とも書く。角取山とも呼ばれている。また、表には載せていないが、ゼンリン1999年版では立山(1308.6m)と角取山(1340m)両方を記載している。地図で立山の位置は1340m付近と1309mがある。小山町の表示板に従い1340m付近を立山とした。 (7)須走立山展望台(すばしりたちやまてんぼうだい) 小山町の表示板があり、基準点がある1308.6m地点を須走立山展望台とした。 2.カシミール3Dで山座同定 カシミール3Dで各山に印をつけて作成した展望図と地図情報、景図工房の情報から各山を同定した。 いままでで最も時間を費やした山座同定でした。 |
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山名 | 標高(m) | 山名 | 標高(m) | 山名 | 標高(m) | 山名 | 標高(m) | 山名 | 標高(m) | 山名 | 標高(m) | 山名 | 標高(m) | 山名等 | 標高(m)等 | 山名 | 標高(m) | 山名 | 標高(m) |
△1201.1 | △1201 | 1201 | 三国山 | 1201 | 1201.4m | 基準点 |
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三国山 | 三国山 | △1320 | 三国山 | 三国山 | 三国山 (登山道分岐) |
(小)1328 (山)1320.2m |
三国山 | 1328 | 三国山 | 1325 |
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1343 |
1343 | 三国山 | 1343 | 三国山 | 1340 | ||||||||||||||
ブナ坂峠 | 1331 | ブナ坂峠 | ブナ坂峠 | ズナ坂峠 (ズナ峠、ヅナ峠) |
1320 | ヅナ峠 | (小) | ズナ坂峠 | |||||||||||
1353 | 楢木山 | △1353 | 楢木山 | 1353 | 楢木山 | 1353 | 1353 | 楢木山 | 1353 | 楢木山 | 1353 | 楢木山 | 1353m | 楢木山 | 1353 |
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大洞山 | △1383.4 | 大洞山 | △1383 | 大洞山 (角取山) |
△1383.5 | 大洞山 (角取山) |
△1383.5 | 大洞山 | 1383 | 大洞山 | 1384 | 大洞山 (角取山) |
1383 | 大洞山 (角取山) |
(小)1383m (山)1333.5m |
大洞山 (角取山) |
1383 | 大洞山 | 1383 |
1366 | 1366 | 1366 | 角取山 | 1366 | |||||||||||||||
1292 | 1292 | 1292 | |||||||||||||||||
畑尾山 | △1360 | 畑尾山 | 畑尾山 | 畑尾山 | 1360 | 畑尾山 | (小)1365m | 畑尾山 | 1365 | ||||||||||
立山東分岐 | |||||||||||||||||||
角取山 | △1340 | 立山 (角取山) |
立山 | 立山 | 1340 | 立山 | (小) | 立山 | 1330 | ||||||||||
△1308.5 | △1308.6 | 1308.6 |
須走立山展望台 | 1308.6 |
1309 |
立山 | 1309 |
須走立山展望台 | (小) | 立山 | 1309 |
地点 | 表示板、基準点など |
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1201.4m | ![]() |
基準点とは、地球上の位置や海面からの高さが正確に測定された電子基準点、三角点、水準点等から構成され、地図作成や各種測量の基準となるもので す。 三角点は、山の頂上付近や見晴らしのよいところに設置され、経度、緯度、標高が正確に求められています。 地図の作成はもちろんのこと道路の建設、都市の 開発などの公共事業を行う際にはなくてはならないものです。三角点には、一、二、三、四等の種類があり、全国に約109,000点設置されています。(国土地理 院HPより引用) 左の写真は、三角点。 |
三国山 | ![]() 静岡県小山町の表示板。「三国山 1328 富士箱根トレイル No.32 小山町」 |
![]() 山梨県山中湖村山中湖観光協会の表示板。 「三国山頂 標高 1320.2m」。山頂と表示。 |
標高1340m付近 | 三国山山頂の表示板は無いようです。 |
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ヅナ峠 | ![]() 静岡県小山町の表示板。「ヅナ峠」 |
![]() 山梨県山中湖村山中湖観光協会の表示板。位置の名称はありません。 「ハイキングコース」のスペルが「HIKING CORS」。他の表示板では「HIKING COURSE」書き間違いか。 |
楢木山 | ![]() |
作製元が不明な手作りの表示柱。 小山町、山中湖村の表示板は無いようです。 横に石柱が倒れていた。何の石柱であるか確認しなかった。県境標か?。 |
大洞山 | ![]() 静岡県小山町の表示板。 |
![]() 山梨県山中湖村山中湖観光協会の表示板。角取山の記載はありません。 国土地理院の基準点(三角点) |
アザミ平東 | ![]() |
表示板「アザミ平東」から「アザミ平」までの一帯ががアザミ平 |
アザミ平 | ![]() |
![]() |
畑尾山 | ![]() 静岡県小山町の表示板。「畑尾山 1365」 |
↓ ↓ [山中湖村山中湖観光協会が管理する三国山ハイキングコース(三国山・パノラマ台コース)はアザミ平ー籠坂峠になるので、畑尾山、立山には山中湖村山中 湖観光協会の表示板は無い。籠坂峠の方には下のような表示板あり] ![]() |
立山東分岐 | ![]() 静岡県小山町の表示板。「立山東分岐」 |
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立山 | ![]() 静岡県小山町の表示板。「立山山頂」。立山だけ「山頂」をつけてます。何故か。角取山の表示はない。 |
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須走立山分岐点 | ![]() 静岡県小山町の表示板。「須走立山分岐点」 |
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須走立山展望台 | ![]() 静岡県小山町の表示板。「須走立山展望台」。近くにに基準点があるが標高の記載なし。 |
![]() 国土地理院「基準点」 |
県境 | ![]() 三国山稜の登山道の中や横にある多数の「境界見出標 東京営林局」。赤く塗ってある石杭は境界標か。営林局であるから森林の境界を示すようである。県境の標石かと思ったが、森林の境界が県境にあるということか.。県境の石標は見逃したようです。 山梨県と静岡県の県境に関して 昭文社の2013年版地図では立山付近から県境界線が消え、「境界未定地」である。2015.7の国土地理院地図では立山から籠坂峠を通り小富士手前まで県境界線が続いています。小富士手前から富士山山頂まで県境界線は有りません。 |
![]() 「須走立山展望台」富士山が見える展望台です。残念ながら、まだ全貌は見ておりません。2012.8.26撮影。 |