1.タマゴダケ 愛好家になる |
2.「タマゴタケ」の 和名と学名の変遷 |
4.タマゴタケ 鑑賞室 |
2018年に書いた最初の原稿は現在のWikipediaの内容と異なっています。タマゴタケの学名が、Amanita hemibapha から Amanita
caesareoidesに変わっています。また、さらに変化が有りました。学名がこんな短期間に変わるとは珍しいと思い、タマゴダケの和名と学名について勉強しました。これが意外と難しいい。
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タマゴダケの従来の学名は A. hemibapha だったが、近年の遺伝子レベルでの研究により Amanita caesareoides 変更された。
タマゴタケの和名と学名の変遷を調べるにはこれを読めばよいという素晴らしいサイトが有りました。ここでは、このサイトをもとに短くまとめました。 新種サトタマゴタケの論文を分解する(タマゴタケの学名の変遷) | きのこびと 「タマゴタケ」の和名と学名の変遷
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年 | 和名 |
学名
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命名者 掲載誌など | ||
1800年 (明治33年) 以前 |
タマゴタケは 存在しない (?) |
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1800年 (明治33年) | オオベニタケ | Amanita caesaria アマニタ・カエサレオイデス |
白井光太郎が提出したオオベニタケをドイツの菌学者Hennings(ヘニング)がAmanita caesaria と同定。学術誌『Hedwigia』に記載。 | ||
1913年(大正2年) | タマゴタケ | Amanita caesarea | 川村清一の「日本菌類図譜」でその名前をタマゴタケとして発表。「タマゴタケの歴史」が始まった。 | ||
1975年(昭和50年) | タマゴタケ | Amanita hemibapha アマニタ・ヘミバファ |
本郷次雄によって「タマゴタケ」は Amanita hemibapha と同定。 | ||
2015年(平成27年) | タマゴタケ | Amanita caesareoides アマニタ・カエサレオイデス |
遠藤直樹によりタマゴタケは Amanita caesareoides と同定 | ||
2024年(令和6年) | タマゴタケ サトタマゴタケ (新種) |
Amanita caesareoides Amanita satotamagodake アマニタ・サトタマゴタケ |
今まで「タマゴタケ」と呼ばれていたものが、実は2つの種類であって一方はタマゴタケでもう一方がサトタマゴタケとなった。 |
ガイウス・ユリウス・カエサル | Amanita caesare アマニタ・カエサレ セイヨウタマゴタケ | |||
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紀元前100年 - 紀元前44年、共和政ローマ末期の政務官であり、文筆家。 ガイウス・ユリウス・カエサル - Wikipedia |
ハラタケ目テングタケ科テングタケ属テングタケ亜属タマゴタケ節のキノコ。 セイヨウタマゴタケ - Wikipedia |
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タマゴダケ 属 : テングタケ属 Amanita | コベニタケ 属 : ベニタケ属 Russula | ベニテングダケ 属 : テングタケ属 Amanita |
川村清一が原図を描いた1929年(昭和4年)の『日本菌類図説』の図版 川村清一の『日本菌類図説』 | NDLイメージバンク | 国立国会図書館より引用 |
形態学的特徴は、模式標本 (レクトタイプ) である A. caesareoides と一致し、A. hemibapha の模式標本 (等模式標本: アイソタイプ) とは一致しませんでした。 また、核リボソームRNA遺伝子内の ITS領域の分子系統解析を行った結果、日本産の「タマゴタケ」は A. caesareoides の模式標本と単一の系統群を形成し、A. caesarea や A. jacksonii に近縁であることが示されました。 一方、形態的に A. hemibapha の模式標本と一致するタイ産の標本は、インド産の標本と同じグループに含まれており、A. caesareoides とは離れた系統群であることが明らかになりました。 以上のことから、日本産のタマゴタケは、A. caesareoides であることが強く支持されます。 |
論文のAbstractに書かれている内容から列挙しますと |
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