昨年は強風と濃霧でかなり寒く、小屋の陰に隠れて昼食をとった。10m先の視界はない。
今年は、風もさわやかで、青い空に雲海の絶景を眺めて高原ハイキングのようなランチタイム。
昨年は、ここから二ツ塚に行く間のいたるところに満開のフジアザミが見られた。
今年は、少し時期が早いのか、かなり少ないようである。一週間違うと花の咲き方は違ってしまう場合が多い。その満開の時期に出会うのは結構難しい。花の時期が難しいのは、桜だけではないようである。
青い空の下、満腹になって、珈琲を飲んでいると、あれこれ頭に浮かんできた。
「○合目は適当につけても良いようです。」
この地点は、昭文社の地図では「旧二合八勺」と書いてあります。新五合目はこの下の御殿場口なので、ここは「新五合目五勺」ぐらいか。
そもそも〇合目とは何か、下記のようにいろんな説があり、〇合目は適当につけて良いようです。
「富士の研究」(富士山本宮浅間神社社務所刊)によると、
(1)白米を升(ます)からあけた山の形が富士山に似ているので升目を使って1里を1合とした(白米一升を10等分したともいう)
(2)梵語の「劫」が「合」に変化した
(3)富士山の祭神コノハナサクヤヒメが女神であることから生命誕生の胎生10カ月を10合に分けた
(4)山頂のことを御鉢といい、仏教用語でも供える米を御鉢料と言うところから米に例えて「合」で区分けした
(5)洪水の水量を「何合何勺」と言ったので之に当てた
(6)夜道の提灯に使う油が1合なくなったところが「1合目」とした
(7)道標にコメをパラパラ落としながら登り、1合なくなったところで「1合目」とした
―など。
富士山登山ルートの五合目(新五合目)の標高
御殿場ルート:1440m、須走ルート:1970m、吉田ルート:2305m、富士宮ルート:2380m
「金時山からの富士山、宝永山、二ツ塚」
左手に丸い丘がぽこぽこと二つ見えるのが二ツ塚。今回は、富士山の懐から見る宝永山、二ツ塚の景観が金時山などの山から見るのとまったく異なっているのに、驚いている。
富士山の森林限界は、2400mほどであるが、宝永山南東部は1300mまで下がり、冠雪が下方に大幅に伸びている。これは、 宝永山噴火の際、火山噴出物のスコリアが東方に飛び堆積し、そこは高木が育たないためである。大砂走りのスコリアの斜面を下った後に金時山からの写真を見て、これほどの大面積に火山噴出物が堆積したのかと、再認識した。
金時山からの富士山と宝永山と二ツ塚 214.1.24 11:41
「二ツ塚は双子山とも呼ばれている。上塚と下塚の類似性などについて」
二ツ塚の形状、色彩は見事です。
上記の写真を右に5°程傾けて両塚を平地に置いたようにした。ほぼ同じ大きさで意図的に向き合わせ、緑と黒紫で彩色したような構築物である。
家に帰っても、考えた。カシミ−ルで断面図を作り、標高差を求めた。
上塚の標高差は35m、下塚の標高差は30mと上塚が少し高い。
上塚の断面を下塚に重ねるとほぼ一致する。基準線の引き方でより一致すると思える。
一卵性の双子(山)である。
二ツ塚は富士山を神と崇めた古代人が、祭儀を行うために構築した人造物である。設計図に基づき構築した相似形の二つの塚を向かい合わせ、荘厳さを加えるため、緑と黒紫に彩色した。
・・・これらの考察はあと3回ほど登ったあとに進めます。
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