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![]() 大嵐村外六ヶ村絵図 1837年
![]() ![]() 世界遺産富士山 口絵2より引用 ![]() 現在の富士山と河口湖の地図 ![]() ![]() 大嵐村外六ヶ村絵図と元地図の河口湖 ![]() ![]() ![]() 大嵐村外六ヶ村絵図の富士山、黒岳からの富士山の横幅0.7に圧縮、黒岳からの富士山 ![]() ![]() 御坂峠からの逆さ富士 4 三景の相違点で次の様に書きました。
図37d 「甲斐御坂越」の河口湖南岸の上には、人家4軒と林があり、その上に二重の山並みが描かれています。しかし、「実景」、「御坂嶺 河口湖 両景」では山は有りません。これにより、富士山のすそ野の先に河口湖があるという、景観の基本が変わっています。広重が河口湖を実際に見ていない証拠です。
![]() しかし、「広重が河口湖を実際に見ていない証拠です。」は正しくは有りません。ここで、補足しておきます。 正確には次のような何を言いたいのかわからない文章になります。 「広重が河口湖を実際に見ていないか、実際に見て山がないのを知りながら景観向上のため山を書き加えたと考えます。」 正しくない理由を書きます。 広重は犬目峠を歩いた記録を、「甲州日記」に書いていますが、犬目峠からは実際に見ることができない桂川を描いています。桂川は犬目宿から約4㎞の距離、高さで250m下にある川での、峠と桂川が一緒に見えるところは有りません。江戸時代の観光名所図はここまで許されていたようです。
また、「不二三十六景 相模大山来迎谷」 で大山を描いていますが大山の何処からも、このように谷に囲まれた富士山を見ることはできません。広重が大山に来たか否かは不明です。
歌川広重の絵を見て、その題名にある景色を話すことはやめた方がいいようです。何処か知らないが、素敵な景色の絵として、眺めて楽しむことが必要です。 ![]() ![]() ![]() 御坂峠からの逆さ富士 実際の御坂峠の紹介文を読むと河口湖の湖面に逆さ富士映っていたようにおもってしまいます。しかし、これまで御坂峠からの逆さ富士の写真は見たことが有りません。また、富士山全体を写すには河口湖の湖面が左側だけなので、富士山全体は映らなかったと思います。現在は、樹木のため湖水も一部分しか見えていません。 1851年(嘉永四年)の「甲斐叢記」では 「富士の山・・・・其影湖水の面に浮かびて、白雪青漣に涵せり。」 甲斐叢記 前輯5巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション 1903年(明治36年)の「中央線鉄道案内」では 「嶺上ヨリ南ヲ望メバ富士山巍峨トシテ天際に突出シ河口湖其下ニアリテ山上ノ白雪影ヲ碧水ニ寫シ絶景云フベカラズ」 中央線鉄道案内- 国立国会図書館デジタルコレクションp96より引用 1906年 (明治39年) 「日本山嶽志」では 「河口湖は眼下に属して、一碧鏡の如く、富嶽は南方に聳えて、其影湖面に映じ、白扇泉地に泛ぶの観をなす等、真に書画も及ばずの好風景なり」 ![]() 日本山岳志-GoogleBoooksより引用 924年(大正14年)の「富士山の自然界」では 「御坂峠は、北面富士の代表観望臺で、脚下の河口湖には倒富士を映じ、・・・・・」 富士山の自然界 148/190- 国立国会図書館デジタルコレクションより引用 ![]() ![]() ![]() ![]()
歌川広重は、峠には何故か人物三人描きます。椿椿山は一人です。 歌川広重の三作品の富士山、右の岸の山並み、峠、湖の構図はほとんど同じです。 塩尻峠の一つは登り坂、一つは下り坂です。塩尻峠に山頂と同じ景色が見える下り道があったかもしれません。
「塩尻峠」の同じような山道を、登り道か下り道かわからない描き方をしているので、広重は実際、塩尻峠を越えて諏訪湖に行き、富士山を眺めたのかという疑問が出てきました。そこで塩尻峠と諏訪湖の浮世絵を眺めてみました。木曽路名所図や、北斎、栄泉の作品をもとに、「塩尻峠」と「諏訪湖」を描くことはできそうです。 「木曽路名所図会」の「諏訪湖」と「塩尻」は、諏訪湖を描いています。「塩尻」には広重の「富士見百図 木曽街道塩尻峠」の山道に似た山道が描かれています。 広重ならこの図を元絵にして富士見百図 木曽街道塩尻峠 を制作できそうです。 しかし、「木曽路名所図会」をもとにして描いたという証拠はつかむことはできませんでした。諏訪湖までの旅をしたか否かもはっきりしません。 ここではそれらに関する作品を掲載するだけです。見る方は、各浮世絵師の「諏訪湖」の描き方を見るだけになります。
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