何故「山」から |
「山」から「峠」に日金山は明治の時代に十国峠になりました。「十国」は山頂から十国が見えるという石碑があり納得できます。しかし、「山」が「峠」になったのはなぜか。 (1)「峠」がいささか手ごわい。次の二つの定義に分かれる。❶山地の尾根の峰と峰との間の低い鞍部(あんぶ)をいい、尾根越えの道路が通じており、其の道をも登り詰めたところを峠という。
❷ 山の坂道を登りつめた最も高い所。山の上り下りの境目。転じて、山。 山の坂道と有るので、山頂へ行く坂道も、中腹を通る坂道も、鞍部を通る坂道も含まれるか。その中で山頂へ行く道が多いため転じて山を示すようになったと推察する。
(2)十国峠は❶尾根の鞍部を越える山道を登りつめたところか❷坂道の上り詰めたところか下記に示すように十国峠は❷坂道の上り詰めたところ、元日金山の山頂に有ります。❶鞍部の上り詰めたところではありません。
自分はこれまで峠とは❶尾根の鞍部を越える山道を登りつめたところと信じていたので、❷坂道の上り詰めたところの定義は意外でした。 富士山展望で出てくる峠は、殆ど山並みの中にある鞍部です。箱根外輪山の乙女峠、長尾峠、矢倉沢峠、御坂山地の御坂峠、新道峠、太石峠、鍵掛峠。 世界大百科事典第2版の様に文句を付けたくなります。
しかし、明治時代からの各辞書にあるように❷坂道の上り詰めたところも峠です。次に示すように山の名前として「〇○」峠」があるようです。 (3)山峰の 語 尾 名,下記文献に示すように、峠,嶺(-toge, toki )は山峰の語尾名としてかなりく使われています。残念ながら、この文献には。語尾に「峠」が付く山の名前が出ていません。 自分も「十国峠」しか知りません。そこで「峠」が付く山を調べましたが、十国峠も含めて7山です。 ●三国峠:名前のとおり、京都府・滋賀県・福井県の県境に位置する山。三国峠 (みくにとうげ) - 三国岳:775m / ヤマケイオンライン (yamakei-online.com) ●三ツ峠(みつとうげ)は、山梨県都留市、西桂町、富士河口湖町の境界にある標高1,785mの山である。峠ではない。三ッ峠山と呼ばれることもある。三つ峠 - Wikipedia ●笹ノ峠は、宮崎県東臼杵郡美郷町と椎葉村の境に位置する山である。山名には「峠」と名の付く山だが、一等三角点の置かれている立派な山で、山頂からの展望は、北東から南東にかけて開けているだけで、他は樹林に囲まれている。笹ノ峠 (ささのとうげ):1,340m / ヤマケイオンライン (yamakei-online.com) ●雁ガ峰峠は、津南町と十日町市を結ぶ峠であるが、山頂を通っているので山として扱った。百山百色:8359雁ヶ峰峠 (plala.or.jp) ●八風峠(はっぷうとうげ)は、滋賀県東近江市黄和田町と三重県三重郡菰野町との間の八風街道途中にある峠。標高は940m[1]。八峯山すなわち八風峠・・・八風峠 - Wikipedia ●仙元峠(せんげんとうげ)、奥多摩の長沢背稜に位置する蕎麦粒山の少し西の尾根にある峠、一般の峠が尾根の鞍部であるのに対し、この仙元峠はピーク部にある。このため、かつては「仙元嶺」とも呼ばれていたようである。仙元峠|最新の山行記録と登山ルートやアクセス、気象状況など-ヤマレコ (yamareco.com) ▲大菩薩嶺は山ですが嶺(とうげ)ではなく嶺(れい)です、大菩薩嶺の尾根道に大菩薩峠が有ります。 ▲雁坂嶺も(かりさかとうげ)ではなく(かりさかれい)。雁坂嶺(かりさかれい)
(4)「峠」と「嶺」「嶺」は、辞書では「峠」との関係が出てきませんが、「峠」のほうから「嶺」との関連が出てきます。 しかし、「嶺」は、「山の一番高い所。山頂。」で鞍部の道は出てきません。
「峠」と「嶺」が山以外を示す可能性は次の二点です。
今のところ、「峠」が❶鞍部の上り詰めたところの由来、根拠は出てきません。❶を出した百科事典、辞書がその根拠を示して頂きたいという気持ちです。 (5)そのため、何故十国峠になったかは個人的に推察❶江戸時代に河村岷雪画で「十国峠」、鈴木重胤著「日本初期伝」で「日金嶺」、」松崎復著「游豆小志・游記」で「十国嶺」とあり、山を表す語尾として「峠」、「嶺」が最有力候補。 ❷地元の住民が、「十国」の下に山を表す語尾を付けて比較検討した。その中で、十国峠、十国嶺が最も音感が良く、呼びやすく、見た目も良いと感じて決定した。そののち十国峠が主に使われるようになった。 十国山、十国嶽、十国岳、十国森、十国峯、十国峰、十国宇根、十国塚、十国丘、 十国岡、十国仙山、十国臺、十国富士、十国丸、十国峠、十国嶺 |