1 大野山の柚子胡椒に胡椒が入っていない
(1)大野山に登り、富士山を眺める
大野山は、丹沢山地の最南部に位置し、神奈川県足柄上郡山北町にある標高723.1mの山。富士山に対して、丹沢山地と箱根の山の間に位置します。そのため、富士山の左には愛鷹山、箱根の山、相模湾、右側には三国山稜から檜洞丸までの丹沢山地の山なみが続く景観が見られます。
「困ったときは大野山」と言って、何処の山に登るか迷ってなかなか決まらないときに大野山に登るので、年に3、4回登る。バスを使わず、歩き始めて30分ほどで富士山が現れて、山頂まで富士山展望地が多くあり、2時間30分ほどで山頂に着きます。標高差520mほど。「困ったときの大山詣り」は標高差950mで結構登りがきつい。足が元気な時は大山、足に元気がないときは大野山になります。
陽射しが最適で、富士山周りの雲発生の確率が少ない午前中に富士山を見るため、JR御殿場線谷峨駅から出発するコースで登った。最近、登る途中の樹木が伐採されて富士山の展望場所が増えて、東屋を過ぎたあたりから634m地点、休憩舎、頂上まで快晴のもと富士山を堪能した。
■10:12 標高634m地点。ウサギさんが「ベンチで富士山眺めて、ゆっくり休んでください」と歓迎してくれます。
ウサギさんが抱える板には「スカイツリーと同じ高さ 634m」。大月にある富士山が見える山岩殿山は山頂が標高634mです。
■2015.1.3 10:13 大野山中腹の標高634m地点から。富士山と愛鷹山と箱根の山と相模湾。絶景です。
■2015.1.3 10:32 標高634m地点から少し登った休憩舎からの富士山
■2015.1.3 山頂で富士山を眺め、休憩舎まで下りて富士山を眺めながらおにぎりを食べ珈琲を飲んで 昼休憩。下りも登りと同じ道を下る。
■2015.1.3 13:05休憩舎ー634m地点からの大野山と相模湾。午前中の登りの時、相模湾は光が反射して白くなってましたが、この時刻には青く鮮明になります。大野山も直接陽が当たり鮮明になります。下山も同じ道を選んだ理由です。
(2)東屋の無人販売で「柚子胡椒」を買いました
634m地点から降りたところに東屋があります。 当然ですが、登るときもこの東屋を通ります。
木彫りのニワトリさんが出迎えてくれます。大野山には多くの所で木彫りの素敵な動物が出迎えてくれます。
この東屋には無人販売所になっています。その売物箱の中に柚子こしょう(ねり)がありました。名前は聞いていたが、まだ食べたことはなく、一度食べてみたいと思っていた柚子こしょうです。

柚子こしょう(ねり)を箱から取り出します。「山崎さん手作り ねり 柚子コショウ」です。
登山で早く家に帰った時は、ぽん酢しょうゆで豚シャブを食べることが多い。柚子胡椒をつけて食べると、胡椒の風味がついて更に食欲が増加するのではと思い一瓶購入しました。
(3)「柚子胡椒」食べてみました。
北海道富良野出身の私は、今まで柚子胡椒を食べた事はない。
柚子の皮の酸味と胡椒の風味が合わさって、どのような味になるか、期待が高まります。
薄く切った豚肉をシャブシャブして、豚肉に柚子胡椒をのせてぽん酢しょうゆをつけて食べました。
おや・・・・? 思っていた味と違う 余り胡椒の味がしない 唐辛子も入れているようで、その味が強い。
相棒さんへ声をかけます。
「この柚子胡椒、唐辛子も入れているようだね」
相棒さんも北海道岩見沢の出身、
「そだねー」カーリング女子が使い「2018ユーキャン新語・流行語大賞」になった「そだねー」で答えます。
「唐辛子入れすぎて胡椒の風味が感じないね」
妻と夫、「もう少し、胡椒をいれたほうがいいね」と納得。
その後、味が薄い冷奴、鯛の刺身でも試しましたが、胡椒の味がしない。唐辛子の味が強い。
材料の配合、作り方によって胡椒の味が失われたようである、と思う。
(4)「柚子胡椒」食べてみました。「柚子胡椒」の「胡椒」は「唐辛子」
しばらく、いろんなものに「柚子胡椒」をつけて食べていたが、納得できず、ようやくネットで調べました。
柚子胡椒には胡椒が入っていません。
名称の「胡椒」は唐辛子を意味する古語で、九州一部では方言として残り、「コショウ」ではなく「唐辛子」の事を指している。その「柚子胡椒」が、全国区の調味料として使われるようになったようです。
柚子胡椒
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柚子胡椒(ゆずこしょう、ゆずごしょう)は、唐辛子とユズとを原料とする調味料の一種。
唐辛子を粗刻みにし、ユズの果皮と塩を入れて磨り潰し、熟成させたものである。九州では一般的な調味料として多くの料理で使用される。九州のほか、ユズの産地である徳島県木頭村(現:那賀町)や高知県でも製造されている。
名称の「胡椒」は唐辛子を意味する九州方言で、ここでは一般的なコショウではなく唐辛子の事を指している。
なお、コショウは「洋胡椒」と呼んで区別する。
唐辛子は青唐辛子を用いるのが一般的であるが、赤唐辛子が用いられる場合もある。
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柚子胡椒の語源について
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柚子胡椒は、柚子に唐辛子を練りこんだもので
×柚子+コショーではありません。
○正解は「柚子+唐辛子」=柚子胡椒です。
「胡椒」は青唐辛子を意味する古語で九州で方言として残り、私たち本場の人間にとっては胡椒は青唐辛子。
皆さんの思っているコショウは、私たちにとっては、「洋胡椒」です。
今でこそ胡椒は私たちも洋胡椒となりましたが、生産地の中でもおばあちゃん達は青唐辛子の事を指しているかもしれません。
「洋胡椒」のコショウではなくて「唐辛子」の事を指していた事が、皆さんご存知、柚子胡椒の語源となっています

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北海道出身で関東で暮らしていたため、微塵の疑いも無く柚子胡椒なのに胡椒の味がしないのは何故かと思っていました。知らないとは恐ろしいと、還暦を過ぎて改めて思いました。
その後、ほぼ同世代の男五人と若い女性二人の構成で、横浜の九州料理の豚シャブ店で飲み会を行い、柚子胡椒が出た時に、参加者に尋ねました。
「柚子胡椒は柚子と胡椒と思っている人手を挙げて」
7人のうち4人が「胡椒」が入っていないことを知りませんでした。すこし、安心しました。
すこし安心した後で、「唐辛子」がなぜ九州で胡椒なのか」を調べたました。
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